まっすぐで、健康的で、前向きで、真っ当で誠実。それがきちんと描かれているというのはたぶんうまいってことだ。メイクという太い柱を立てて登場人物の心模様をきれいに描き出していると思う。
こういう気分になりたい時にはすごくいい小説だろう。ただ個人的にはナンバーワンにはならないかな。後ろ暗さややさぐれやけれんみみたいなもの、読んでいて痛みを感じるもの。自分がそういうものをすごく求めてるってことに気づかされたのがおまけの収穫かもしれない。
愛人を思わせる口紅を主人公だけ好きになってしまう、というところはもう少し葛藤があってもいいのかなと思うけど、もう化粧の技術は身に付いてるところから話は始まってるし、好きってそういうものなんだろうかなどとも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本(小説)
- 感想投稿日 : 2014年10月2日
- 読了日 : 2014年10月2日
- 本棚登録日 : 2014年10月2日
みんなの感想をみる