歳を重ねるうちに、傷付いたり何かを失うことに対して慣れていくものだけど、いつになっても失恋は辛い。
特に、失恋をしてまだ立ち直っていない人にとっては、この小説は残酷な現実を突き付ける。私も読んでいる最中、怜子の苦しみが痛いほど伝わってきて、何度も途中で読むのを止めようと思った。もう大丈夫、私は一人でやって行けると思った矢先、次々と発覚する新たな現実。「人生はいつだってこんなはずじゃなかったの連続だ」まさしくその通りだ。
だけど、終盤での「時間をかけて傷つくことは人にとって必要なんだと思う」と言う美穂の言葉に救われた気がした。情けなくて、なかなか前に進めない自分の生き方を肯定してくれているような気持ちにさせてくれた。
おそらく、これからも怜子は何度もゆれるだろう。けれど、それでも前を向いて生きて行って欲しいと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年6月28日
- 読了日 : 2013年6月11日
- 本棚登録日 : 2013年6月11日
みんなの感想をみる