はっきりと見定めたいのに、よく見ようとすると途端に見えなくなる。見えれば、きっと飲み込まれてしまう。そういう流れが「いつもの生活」の瀬戸際で常に私とすれ違っている。目下の悩みを、その絡み付く蔦のようなおぞましい悩みを振り払うには本を読まねばならない。とにかく、早急に、文字の森に身を潜めるのだ。