震災号。というのが適切だろう。ちょっとずつ読んでいる状態。この号で古川日出男が言うように、311後暫くは、現実が物語を凌駕して物語の力はしばらくの間パージされていたと思う。この号が出たのは七月だが、個人的にはまさにその時期が、やっと文字が読みたいと思うようになったタイミングであったので、飛びついて買った。
冒頭の早助よう子の短編は、放射能汚染区域から子供を自分の実家に連れ出し、自分は元の地域に平日は出勤するという女性の話で、その他にも沢山、まさに今なモチーフが沢山でてきて、小説の一線を超えてこちら側にきたような感のある生々しい一編だった。読んだ後今でもちらちらとシーンが浮かんでくる。
この号がよく売れたきっかけとなるオザケンのインタビューもたいへん素晴らしい。音楽に対する純粋な感動を真正面からきちんと語っていて、受け手がきちんと文字にしているので共感出来るところや感動するところが多かった。この号では癒しのパートである。
あとはいつも楽しみにしている岸本佐和子のあかずの日記が相変わらずでほっとしたのだった。
読書状況:積読
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- 感想投稿日 : 2011年9月24日
- 本棚登録日 : 2011年9月24日
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