世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)
- KADOKAWA (2011年5月22日発売)
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感想 : 113件
今までずっと詳しく知りたかったことが書いてあり、とても面白く読めた。
イスラム世界やアメリカ、インド、韓国、そして日本でどのように家畜が「屠畜」(屠殺)されているのかを分かりやすく、面白く(?)伝えている本。
イラストが詳細で、それでいて温かみがあって残酷さはあまりない。
文章が屠畜の様子をある意味浮つきながら面白がっているようにも見えるのが少し嫌だった。
その分最後の最後で、著者が自分で鳥の死体から羽を毟るところでの落ち着いた視点は興味深かった。
命をいただくことへ責任感や罪悪感を過度に感じてしまうのが日本人なのだろうか。
屠畜を行う人への差別のようなものもないつもりでいたし、肉食も否定していないし、ベジタリアンでもないが、この本を読んでいる間は肉を食べる気にはなれなかった。
直接見えなくでも、ゼラチンやスープの出汁、その他もろもろの食品に使われているのだから口にしていないということはないが……。
差別の歴史や、その反抗がどのように行われてきたかは意図的に省かれているようだが、次刊では詳しく触れてほしいと思う。
屠畜だけでなく、乳牛や卵の生産にも思うところはあり、これらも含めてじっくり考えていきたいと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日記・紀行・写真
- 感想投稿日 : 2011年8月11日
- 読了日 : 2011年8月10日
- 本棚登録日 : 2011年8月6日
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