ギリシャ棺の秘密 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2013年6月21日発売)
4.06
  • (41)
  • (53)
  • (28)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 437
感想 : 31
5

オランダ靴に続く、ロジックの妙意を存分に楽しめる傑作。


ネタバレ


多層的に本作の推理は繰り広げられる。深くなるごとに、推理の質が高まっていくその様を見るのは、もはや快感である。
犯人は狡猾で、先の先まで読んだ行動をする。
燃えた遺言書(空き家に残っていたもの)、それぞれ異ったタイプライターで書かれた約束手形、ほかもろもろの偽の手がかりがどれもこれも巧妙。
崩すのは、紙幣の入った時計に、閉まった状態の部屋から飛び出した銃弾等、考えなければ見逃してしまうようなものばかり。
オランダ靴も快作だったが、本作はその上を行っている。
読んで損はない作品。新訳も、以前に増して読みやすくなっているのもプラス。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2014年6月9日
読了日 : 2014年6月9日
本棚登録日 : 2014年6月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする