オランダ靴に続く、ロジックの妙意を存分に楽しめる傑作。
ネタバレ
多層的に本作の推理は繰り広げられる。深くなるごとに、推理の質が高まっていくその様を見るのは、もはや快感である。
犯人は狡猾で、先の先まで読んだ行動をする。
燃えた遺言書(空き家に残っていたもの)、それぞれ異ったタイプライターで書かれた約束手形、ほかもろもろの偽の手がかりがどれもこれも巧妙。
崩すのは、紙幣の入った時計に、閉まった状態の部屋から飛び出した銃弾等、考えなければ見逃してしまうようなものばかり。
オランダ靴も快作だったが、本作はその上を行っている。
読んで損はない作品。新訳も、以前に増して読みやすくなっているのもプラス。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2014年6月9日
- 読了日 : 2014年6月9日
- 本棚登録日 : 2014年6月9日
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