blaueblumeさんの本棚(blaueblume)
テレビジョン (集英社文庫)
J・P・トゥーサン
野崎 歓
集英社
(2003年10月17日)
読み終わった
ハンス・ハインリヒ・メヘリウスに散歩道で鉢合わせする場面と、「かつてミュッセが!」のくだりでやたら笑った。なんだか元気がもらえます。
チーズはどこへ消えた?
スペンサー ジョンソン
Spencer Johnson
扶桑社
(2000年11月)
読み終わった
10年くらい前にすごく売れた本(たぶん)を、今さら。たまたま図書館で目に留まって、すぐ読めそうだったから読んでみた。
書いてあることは悪くはないし確かにそうだとも思うのだけど、なんというかこの種の本にありがちな成功志向を全面に押し出した感じが、...
カメラ (集英社文庫)
J・P・トゥーサン
野崎 歓
集英社
(1996年06月20日)
読み終わった
浴室、ムッシューに続くトゥーサンの3作目。前の2作に比べると、思索的な文章がけっこう長々とまとまって出てくるのが印象的でした。それにしても訳者の野崎歓さんの解説はいつもすてき。本編につづいて彼のあとがきを読むと、トゥーサンをますます好きにならずに...
ムッシュー (集英社文庫)
J・P・トゥーサン
野崎 歓
集英社
(1995年06月20日)
読み終わった
かわいいです。いとしいです。最後はちょっとえーって感じの終わり方ですけど(笑)、まとまりとしてはまあ軽やかでよいのかなあと思います。ムッシューになりたい、でも、ムッシューもほんとは色々つらいんだよね。
ジャン=フィリップ・トゥーサン、たぶん今...
オレンジだけが果物じゃない (文学の冒険シリーズ)
ジャネット ウィンターソン
Jeanette Winterson
国書刊行会
(2002年07月)
読み終わった
「寓話や幻想の断片が、主人公ジャネットの心が血を流すたびにあらわれる」――個人的に秀逸だと思った、訳者あとがきのなかの一節。フィクションがひとを救うのはなぜなのだろうというところに、改めて興味が湧きました。荒唐無稽で意味がなくて事実でもない物語が...
浴室 (集英社文庫)
J・P・トゥーサン
野崎 歓
集英社
(1994年11月18日)
読み終わった
ダーム・ブランシュが食べたいです。フランスに行ったら探してみよう。
生涯学習時代の成人教育学 (明石ライブラリー)
渡邊 洋子
明石書店
(2002年09月18日)
読み終わった
生涯学習は、成人期を迎え過ごしてゆくすべての人にかかわる問題であるのだ、と認識を新たにしました。わたし自身、卒業・就職してのちにいかにして学びを続けてゆくかということがタイムリーな関心としてあったので。他人事では、決してないのだなあと。
学...
愛しあう
J・P・トゥーサン
野崎 歓
集英社
(2003年11月05日)
読み終わった
かつての愛は崩れて戻らないのに、わかっていながら離れられないふたり。お別れをするために、関係を持ち続ける矛盾。
ものごとの「終わり」には、幅があると思う。時間的にも空間的にも、感覚的にも。ここで描かれているのはたしかに恋の終わり、だけど、なか...
逃げる
J・P・トゥーサン
野崎 歓
集英社
(2006年11月24日)
読み終わった
よどみない文章の流れに言葉の選びかた、ユーモア溢れる雰囲気が素敵でした。訳のおかげかもしれないけれど、句読点の位置なんかもわたしの呼吸に合う感じですっと読むことができて、心地良かったです。
第一・二部の上海でのシーンと第三部のエルバ島でのシー...
雪沼とその周辺 (新潮文庫)
堀江 敏幸
新潮社
(2007年07月)
読み終わった
やはりこのひとの書く文章が好きだと溜め息をつくばかりであります。「ピラニア」の安田さんいいなあ。
闇の奥
ジョセフ コンラッド
Joseph Conrad
三交社
(2006年04月)
読み終わった
原題は「Heart of Darkness」。この本で西洋文学のレポートを書こうとしたけれど、上手くゆかずに断念したわたしであります(笑) 闇の奥、と彼が呼んだものが何なのか、考えていたら深みにはまりました。
幽霊たち (新潮文庫)
ポール・オースター
Paul Auster
新潮社
(1995年03月)
読み終わった
『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の三つが、オースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれているそうです。何も知らずに二番目の『幽霊たち』を最初に読んでしまったよ。三部作はそれぞれ独立した話だというから、順番はあまり関係ないかもしれない...
フィツジェラルド短編集 (新潮文庫)
F.S. フィツジェラルド
野崎 孝
新潮社
(1990年08月)
読み終わった
『夜はやさし』を読んで以来、フィッツジェラルドに興味があります。
短編はどれも小粒な印象(失礼)だったけれど、きらびやかな表面の下に闇がうごめいているかのような彼の小説独特の雰囲気(長編小説にも通じるエッセンスのひとつだと思う)が凝縮されて...
愛は遠い明日 (新潮文庫)
朝吹 登水子
新潮社
(1987年01月)
読み終わった
洒脱で洗練されたイメージのあるサガンなのに、この本は舞台設定からしてどことなく砂埃に煙った感が漂っていて、そのギャップが逆にわたしには好ましかったです。面白かった。
原題のLe chien couchantを「愛は遠い明日」と訳すのってすごい。
思考の整理学 (ちくま文庫)
外山 滋比古
筑摩書房
(1986年04月24日)
読み終わった
「東大・京大で1番読まれた本」「もっと若いときに読んでいれば……」とのコピーが有名(?)な本。うちの大学の生協にもずらっと平積みになってます。父親が貸してくれたので、実家から帰ってくる新幹線の中で読みました。頭をさくさく動かすことの楽しさを、思い出...
ヘヴン
川上 未映子
講談社
(2009年09月02日)
読み終わった
川上未映子さん初めて読んだ。
いじめという理不尽な暴力に対して、いじめ反対の視点から主張される道徳だとか正義をわたしは信じたいのだけれど、それらの主張にいまいち絶対的な強さというか正しさというか、説得力のようなものが感じられないのはなぜなの...
シュガー アンド スパイス
野中 柊
角川書店(角川グループパブリッシング)
(2009年10月30日)
読み終わった
はじめて読んだ野中柊さん。誕生日に読んだのだけど、ちょうどこの連作短編のはじめの話がバースデイケーキの話で、しかも「フィッツジェラルド」(わたしが最近好きな作家F・スコットではなくて歌姫エラの方ですけれど)の名前が出てきたのが妙に嬉しかったです。...
フォークナー短編集 (新潮文庫)
フォークナー
龍口 直太郎
新潮社
(1955年12月)
読み終わった
ノーベル賞作家フォークナーの、短編8作品を収録。「バーベナの匂い」がすごく好きだ、と思っていたら、解説で訳者の龍口氏が同じことを書いていました。ベイアードのような強さが好きです。勇気がなくて殺さないのではなくて、殺さないことがひとつの勇気なの。
恋愛のディスクール・断章
ロラン・バルト
三好 郁朗
みすず書房
(1980年01月)
読み終わった
恋愛論ではなくて、言語の話です。難しくてよくわからないところも多いけれど、わかるところだけ読んでも面白い。誰かを好きになったことのあるひとには、きっと響くところがあるでしょう。
素敵な言葉が多すぎて、全文をいちいち引用したくなる(笑)
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
J.D. サリンジャー
J.D. Salinger
白水社
(2006年04月)
読み終わった
今さら読みました(しかもいきなり村上訳で)。文章がすごく軽くて驚いてしまいましたが、これは訳のおかげなのでしょうか。
博物館に行く場面が良かったです。博物館の展示はずっと変わらないけれど、そこに行くきみはずっと同じではいられないんだ、ってとこ...
夜はやさし
F.スコット・フィッツジェラルド
森 慎一郎
ホーム社
(2008年05月26日)
読み終わった
すてきです。フィッツジェラルド、好きになりました。森先生の翻訳にも惚れる。
東京奇譚集
村上 春樹
新潮社
(2005年09月15日)
読み終わった
読書会の課題本でした。うーん。なんというか、普通……。
春樹作品って突っ込んで語り始めるといろいろとあるらしいけれど、わたしにはいまだによくわかりません。
新版 大学生のためのレポート・論文術 (講談社現代新書)
小笠原 喜康
講談社
(2009年11月19日)
読み終わった
今さらになって論文のハウツー本を読むわたしです。
大学で課されるレポートというものがどうにも苦手なので、基本的なことを一度ちゃんと押さえようと思って読みました。やっぱり難しいです、卒論なんて書ける気がしないどうしよう。
熊の敷石 (講談社文庫)
堀江 敏幸
講談社
(2004年02月13日)
読み終わった
二年ぶりに再読。改めて思うけど、すごく良かった……。
最近のわたしがずっと気にしている部分を深いところでぐさぐさ貫かれるようで、読みながらもう少しで泣くのではないかと思うくらいでした。彼の文章は淡々として見えながら、ふと気を許せば無造作にこころ...
完訳 緋文字 (岩波文庫)
N. ホーソーン
Nathaniel Hawthorne
岩波書店
(1992年12月16日)
読み終わった
面白かったです。
愛人(ラマン) (河出文庫)
マルグリット デュラス
Marguerite Duras
河出書房新社
(1992年02月)
読み終わった
たたみかけるように澱みなく言葉が迫ってくる文章が印象的。
文の途中で主語が変わったり、時系列がばらばらだったり、地の文に直接話法の会話表現が用いられたりと、一見読みにくさを感じさせるような文法も目立ちます。
肌にまとわり付くように濃密な文章...
フランス短篇傑作選 (岩波文庫)
山田 稔
岩波書店
(1991年01月16日)
読み終わった
面白かった!!
論語物語 (講談社学術文庫 493)
下村 湖人
講談社
(1981年04月08日)
読み終わった
下村湖人というひとは、本当に真剣に切実に『論語』に向き合ったひとなのだろうなと思う。孔子と彼の弟子たちをまるで人間らしく生き生きと描く、その眼差しのやさしさに涙が出そうになる。渡し場の話がすごくすごく好き。
世界小娘文學全集----文藝ガーリッシュ 舶来篇
千野 帽子
河出書房新社
(2009年02月26日)
読み終わった
「あなたと同じ憧れと同じ誇りを左の胸ポケットに入れて、あなたと背中合わせに戦っているあの子が、このなかにきっといるはず。」
私たちはかつての文学青年の末裔ではない、という著者の意見に妙に納得。流行に流されずに、たとえ周りと少しずれていようと...
坂口安吾 [ちくま日本文学009]
坂口 安吾
筑摩書房
(2008年02月06日)
読み終わった
なぜかはわからないけれど、なんとなく昔から安吾が好き。
論理的なようでいて実はぶっとんでいる妙な語り口や、従来の価値観にためらいもなく風穴を開けるような、ざっくりとした視点の持ち方に惹かれるのだと思います。
「桜の森の満開の下」が好きだけ...
ハムレット (新潮文庫)
ウィリアム シェイクスピア
William Shakespeare
新潮社
(1967年09月)
読み終わった
今更になって読んだシェイクスピアの戯曲。
生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。
新潮文庫のシェイクスピアはどれも表紙が綺麗で、全部揃えたくなります。関係ないですが。
こゝろ (角川文庫)
夏目 漱石
角川書店
(2004年05月)
読み終わった
再読。実際に読んだのは新潮版だけれど、以前の記事とかぶったから角川版にしてみました。(同じアイテムを重複して登録出来ないのを初めて知った…)
改めて読み返しても、初めて読むときと同じくらい新鮮な気持ちで楽しめることに驚きました。読み返すたび新し...
フランス文学案内 (岩波文庫)
渡辺 一夫
岩波書店
(1990年03月16日)
読み終わった
フランス文学の大きな流れを概観する、という意味でとても良い勉強になったと思います。読んで良かった。
何から読んでいいか分からないフランス文学ですが、この本を読んだことで今後の本選びについて若干の指針が立ちました。嬉しい。とりあえず今のところ読...
地図男 (ダ・ヴィンチブックス)
真藤 順丈
メディアファクトリー
(2008年09月03日)
読み終わった
読みやすくて面白い、だけどそれだけ。という印象。
期待していただけに、肩透かしをくらった感が否めません。
あまりに軽い文体には正直「これはふざけすぎでは…」と思ってしまいます。辛口で申し訳ない。
地図に物語を書きこむ謎の男、その目的は? ...
長い終わりが始まる
山崎 ナオコーラ
講談社
(2008年06月26日)
読み終わった
ストーリー自体は好みではないです。面白くない。
だけれど一方で、この作品が必死に訴えかけてくるものを無視してはならないのだという気も、すごくします。
長い終わりが始まる、という言葉の抱く甘美な絶望感。それがこの本のなかにもわたしの日常にも...
悶絶スパイラル
三浦 しをん
太田出版
(2007年12月)
読み終わった
「イカリちゃん」の章が良かったです。こういう思考の出来る洞察力を、わたしも持ちたい。
レンタカーで島根旅行、も素敵だなぁ。
現代思想の冒険 (ちくま学芸文庫)
竹田 青嗣
筑摩書房
(1992年06月)
読み終わった
近代⇒現代の哲学の骨組みを、ざっくりと取り出して見せてくれます。
細かい説明は省いて、現代哲学の行き詰まり、という問題点だけにポイントを絞っていて、そのブレない視点と問題意識が分かりやすくて良いです。
でも最後の方はなんだか理解がついて行けま...
九つの物語 (集英社文庫)
サリンジャー
中川 敏
集英社
(2007年06月28日)
読み終わった
大好きな『ナインストーリーズ』ですが、訳が変われば感触も変わります。同じ本なのに訳者によってここまで違う話になるのかと、読み進めながらただ驚くばかりでした。物語の大筋はもちろん同じであっても、言い回しによって登場人物の醸し出す雰囲気とか全体の空...
デッドエンドの思い出
よしもと ばなな
文藝春秋
(2003年07月26日)
読み終わった
ほっこりした読後感が素敵な短編集でした。
なんというか、ものすごく痛くて辛いことを描いているのだけど、どの話も最終的に向かってゆく結末が肯定的というか。
時間をかけて自分を見つめて、周りのひとに支えられてゆっくりと再生する主人公たちの姿が、...
青空感傷ツアー
柴崎 友香
河出書房新社
(2004年03月11日)
読み終わった
表紙は綺麗だけれど、大して面白くなかったです。
美人でわがままな友人に振り回されて旅をするうちに、実は自分もわがままでダメな奴だったことが分かって、最終的にはグレーなままでなんとなーくカタルシス、という設定は嫌いではないのだけど。。。主人公と...
泣かない女はいない
長嶋 有
河出書房新社
(2005年03月15日)
読み終わった
良かったです。今までにいくつか読んだ長嶋さんの作品の中でも、好きなほうの部類に入りそう。
感情を排した事務的な付き合いだと思っていたはずのものを、知らない間に好きになるってこと、誰しもあると思うの。睦美のようなひとって、クールなようでいて、...
迷へる魂
尾崎 翠
稲垣 眞美
筑摩書房
(2004年09月16日)
読み終わった
尾崎翠さんが好きです。
彼女は寡作なひとなので、まとまった作品集というものが少ないのだけど。この本は全集に未収録の新しく発見された作品が載っていて、ややマニアックではありますが、読み応えのある内容です。短歌と詩と、短めの文章が中心。
「今...
夢のような幸福
三浦 しをん
大和書房
(2003年12月)
読み終わった
しをんさんの文学的な言葉遣いに対して、彼女の弟さんが「そんなオタクみたいな言い方はやめろ」と云う、そのやり取りを綴った回を読んで、ちょっと愕然とする。洒脱で気の利いた言い回し、とわたしが思っているものも、受け取るひと次第では「オタクっぽい」と一...
人生激場
三浦 しをん
新潮社
(2003年10月23日)
読み終わった
読みながら深夜にひとりで大声で爆笑しているわたしを、隣人は不審がっていないかしら……と心配になるくらいに面白いです。
勿論、共感できることばかりではないのだけど(むしろ現実にはついてゆけない話題も多々あり)、それでもテンポの良い、分析的で説得力...
大きな熊が来る前に、おやすみ。
島本 理生
新潮社
(2007年03月)
読み終わった
他者と接するときに少なからず生じるやりきれなさだとか、小さな苦しさというものは、それ自体がどんなに些細なものであっても、知らず知らずのうちにこころの中に堆積して影を作る。
色とりどりの記憶で塗り固められて、それはだんだんに重くなってゆくものだ...
主題歌
柴崎 友香
講談社
(2008年03月04日)
読み終わった
表紙が綺麗! 初めて読む柴崎友香さんです。
誰の視点で描かれているのかがいまいち定まらない文章で、感情描写においてときどき突然に主語が変わるのが、不自然で読みづらかったです。これはこのひとの文体なのかしら。
アジア料理の店で偶然見かけたひ...
寓話〈下〉 (岩波文庫)
ラ・フォンテーヌ
Jean de La Fontaine
岩波書店
(1972年04月17日)
読み終わった
上巻を読んだときからだいぶ日が経ってしまったけれど。ラ・フォンテーヌの寓話、やっと読了です。
巻の八の10、「クマと園芸の好きな人」の話は、堀江敏幸さんの小説http://booklog.jp/users/blaueblume/archives/4062106353で扱われていたのを読んで知って...
日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (岩波文庫 緑75-1)
横光 利一
岩波書店
(1981年08月16日)
読み終わった
登場人物を突き放して見る、怖いくらいに冷静な視点と、逆に登場人物の奥深くにまで入り込んだ、複雑な心理描写とのバランスと。それに作品のなかに漂う「死」の気配が、濃密な雰囲気の塊になって結晶しているようで、圧倒されました。
「機械」が面白かった...
恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)
コクトー
中条 省平
光文社
(2007年02月08日)
読み終わった
岩波文庫で以前読んだものを、新訳で再読です。
初めて読んだときには意味の分からなかった詩的な描写の数々が、改めてじっくり読むと非常に美しいことに気付きました。イメージが次々と飛躍する幻想的な文体と、たたみかけるようにラストへ向かってゆく、圧倒...
20世紀とは何だったのか―現代文明論〈下〉「西欧近代」の帰結 (PHP新書)
佐伯 啓思
PHP研究所
(2004年05月)
読み終わった
近代の合理主義・進歩史観の帰結。それを通して、現代が置かれている構造が見えてきます。
昨今の金融危機や、意外なところまで浸透しきったニヒリズムのことを思うと頭が痛くなってくる。こんなにも閉塞した世界に、わたしは一体どうすればいいのー。
わた...
ソロモンの歌 (朝日文庫)
吉田 秀和
朝日新聞社
(1986年10月)
読み終わった
サークルのお友達が貸してくれた本です。
著者の吉田秀和さんは、日本を代表する有名な音楽評論家なのだそう。とっても読み応えのあるエッセイ集でした。「一本の木」が個人的にはいちばんお気に入り。
氏が学生時代に中原中也にフランス語を教わったとい...
神様のボート (新潮文庫)
江國 香織
新潮社
(2002年06月)
読み終わった
「一度出会ったら、人は人をうしなわない。」
すごい言葉。
離れがたいひとの存在は時に救いになるけれど、同時に足枷にもなることは知ってる。それでも簡単に捨てられはしないのだろう、理屈や理性を超えて、ひとは「出会って」しまうのだから。
“ママ...
尾崎翠集成〈下〉 (ちくま文庫)
尾崎 翠
中野 翠
筑摩書房
(2002年12月)
読み終わった
表紙は蘚の写真だそうです。素敵。
尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)
尾崎 翠
中野 翠
筑摩書房
(2002年10月)
読み終わった
尾崎翠という作家さんに出会ったことは、2008年のわたしの読書歴における、ひとつの事件だと思う。
他のどんな小説とも違う、内向的で、感覚的で、現代においてさえ色褪せずにきらきらと美しい、……こんな文章を書くひとが日本に、それも大正時代にいたなんて。
...
影をなくした男 (岩波文庫)
シャミッソー
Adelbert von Chamisso
岩波書店
(1985年03月18日)
読み終わった
幸運の金袋と引き換えに、自分の影を売ってしまった男のお話。面白かったです。ひとによって色んな読み方が出来そう。
訳者の池内紀さんによる解説は、なんだか人間的なやさしさが感じられて素敵だなぁと思いました。
影なんて、あってもなくても変わらな...
ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)
リュドミラ ウリツカヤ
沼野 恭子
新潮社
(2002年12月)
読み終わった
もしもわたしが、ソーネチカと同じ目に遭ったとしても、きっと同じようなことを考え、同じような行動を取ったと思うんだな。決して綺麗事ではなくて、彼女がしたのと同じように簡単に自分の幸せを諦めて、相手の幸せを喜ぶだろうと思う。
…少なくとも、表面的に...
夏目漱石 (ちくま日本文学 29)
夏目 漱石
筑摩書房
(2008年12月10日)
読み終わった
陳腐で大げさな言葉にはなってしまうけれど、漱石というひとがこの世界に生きていたことを、本当に嬉しく思います。このひとと同じ日本人で良かった、わたしは幸せ者だ、と思います。
頑固で偏屈で気難しいようで、でも本当に正しいことだけを云う、曲げない...
国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
(1995年10月04日)
読み終わった
タイトルがすごく好き。国境の南、太陽の西。引力のように惹かれるどこかへと、思いを馳せたくなります。
でも内容は、とても好きになれませんでした。主人公の男のひと、確かに正直で人間らしいとは思うけれど、わたしにはどうしても、どっちつかずで、身勝...
しをんのしおり (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
(2005年10月)
読み終わった
面白すぎます…! リアルに何度も爆笑しました。隣の部屋のひとに聞こえていたらまずいなぁ…(笑)
しをんさんの生み出す妄想と、鋭い洞察力と、笑える語り口(でも表現力とか語彙はすごい)が素敵すぎるー。大好き。
自由の牢獄 (岩波現代文庫)
ミヒャエル エンデ
Michael Ende
岩波書店
(2007年09月14日)
読み終わった
ミヒャエル・エンデの短編集。
読書会の課題本だから、と半ば受動的に手に取ったけれど、予想外に面白かったです。「思いがけず良い本読めた感」が嬉しいー。
難解で読みにくい翻訳もの、を実は覚悟していたのですが、特にそんなことはありませんでした。む...
夕子ちゃんの近道
長嶋 有
新潮社
(2006年04月27日)
読み終わった
ありのままの日常を、特に何の意味も求めず見つめるという、何でもない営みの心地よさを感じる本でした。大きな事件こそ起こらないけれどこういうありふれた風景だってきっと、人生を動かすような決定的瞬間と同じくらいに価値のあるものなのだと思います。
...
乙女の京都 (マーブルブックス)
甲斐 みのり
マーブルトロン
(2005年01月24日)
読み終わった
とにかく可愛らしい、いとおしい、恋しい京都が詰まった一冊。ずーっとページを眺めていても飽きないくらい、綺麗な写真と優しい言葉に溢れています。
女の子であることと、京都に住んでいることの幸せを大切に感じてゆくために、そっと手元に置いておきたい本。
澁澤龍彦 (ちくま日本文学 18)
澁澤 龍彦
筑摩書房
(2008年06月10日)
読み終わった
過激で、エロティックで、異端っぽくて、ちょっと危ない系のイメージがあるせいで、なんとなーく敬遠していた澁澤龍彦ですが。(偏見?)読んでみたら意外に抵抗なくさらさら読めました。
面白かった。『鏡と影について』が好き。神秘的で、そこはかとなく官能...
電化製品列伝
長嶋 有
講談社
(2008年11月05日)
読み終わった
現代の小説のなかから、電化製品の出てくる場面だけを抜き出して語った“異色”書評集!(漫画、映画もアリ。)こんな楽しい試みをしてしまう長嶋さん、本当に大好きです。今まで電化製品などに気を止めて本を読んだことはなかったので、作品を語る視点として、こん...
光
三浦 しをん
集英社
(2008年11月26日)
読み終わった
暗くて、重ーい感じ。救いやカタルシスがありません。ひとの持つ究極的な一側面、……生はその深奥で、根本的に理不尽だということを、恐れず、目を背けずに、抉り出すように描いています。
誰もが歪んで濁って、少しずつ狂っている気がするけれど、一体どこが...
寓話〈上〉 (岩波文庫)
ラ・フォンテーヌ
Jean de La Fontaine
岩波書店
(1972年03月16日)
読み終わった
フランスでは今でも、幼い子どもたちにラ・フォンテーヌの寓話を暗唱させると聞きました。美しい詩によってうたわれる、ユーモアの溢れた楽しいお話はしかし同時に痛烈な教訓を隠して、子どもたちの心の奥深くに根付くのでしょう。こんな形で知らず知らずのうちに...
尾崎翠 (ちくま日本文学 4)
尾崎 翠
筑摩書房
(2007年11月20日)
読み終わった
「透明なエロティシズムで 読者を誘惑する」
帯に書かれたこの紹介文、本当にその言葉通りだと思いました。
みずみずしく艶のある恋のお話、ではあるけれど、決していやらしい印象は与えない、その文章はまさに透明。
恋の持つはかなさ、あやうさ、狂...
モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号
J.D.サリンジャー
柴田 元幸
ヴィレッジブックス
(2008年10月20日)
読み終わった
大好きな、サリンジャー作『ナイン・ストーリーズ』の新訳。英語の原書と、野崎孝さん訳の新潮文庫を手元に置いて、3冊のあいだを行ったり来たりしつつ読了しました。
全体の語り口が現代的になっていて、活字も大きいしで、何度も読み古した新潮文庫版に比べ...
中島敦 (ちくま日本文学 12)
中島 敦
筑摩書房
(2008年03月10日)
読み終わった
ずっとずっと大切に傍に置いて、わたしが迷う、悩む、生きるその一場面ごとに、何度も読み返して味わいたいと思ってしまう一冊。
…レビューに何を書こうかと真剣に悩んだのだけど、もうこれでいいや。
これ以上下手なことを言えそうにありません。こんなに...
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)
森田 季節
文倉 十
メディアファクトリー
(2008年09月)
読み終わった
我が大学に現役で在学中の方が書いた作品らしいです。話題づくりにとりあえず読んでみました。
普段は読まないジャンルだったので色々と新鮮で、かつ色々と辟易しました。嫌いではないけれど、別に好きでもないです。特に大きな印象は残らず流れていってしま...
蛇を踏む (文春文庫)
川上 弘美
文藝春秋
(1999年08月)
読み終わった
本の中に描かれる世界の流れ、それにひたすら身を任せて、純粋に単純に面白がることが、この本を楽しむ方法としてベストであるような気がします。突飛な展開に出くわすたびにいちいち驚いて考え込んでいるようでは、この物語の中では遊べません。理不尽でも意味が...
二百十日・野分 (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
(2004年01月)
読み終わった
漱石の中では割とマイナーな部類に入りそうな作品だけれど、わたしはすごく好き。読めて良かったー!
「二百十日」は短くて読みやすいですが、個人的には読み応えのある「野分」が好きです。だから少し勝手だけれど、以下は「野分」の感想。
時代のせいも...
大切なものは目に見えない―『星の王子さま』を読む (岩波ブックレット (No.387))
宮田 光雄
岩波書店
(1995年11月20日)
読み終わった
大好きな、サン=テグジュペリ作『星の王子さま』のステキさを再確認させてくれるような本でした。愛するというのは、その相手に責任を持つということなのね。
オテル モル
栗田 有起
集英社
(2005年03月04日)
読み終わった
主人公の女のひとの考え方が好き。おっとりしているけれど芯はしっかり持っていて、謙虚な物腰で他者に接するところが。
翳りのある過去も、双子の妹に対する複雑な気持ちも冷静に、それでいて感情を失わずに内省する姿に憧れます。
最高の眠り、そこから...
葬送〈第1部(上)〉 (新潮文庫)
平野 啓一郎
新潮社
(2005年07月29日)
読み終わった
音楽家ショパンが題材だと聞いて、飛びついた本(笑)。実はわたしにとって、初めて挑む平野啓一郎作品です。文庫版はこの巻も入れて、全部で4冊あります。長いし文章もかっちりして読みにくそうだから身構えていたのだけど、慣れてしまってからは案外苦労せずに読...
秘密の花園
三浦 しをん
マガジンハウス
(2002年03月)
読み終わった
わたしにとって、誰かを好きだと認識する瞬間というのは、そのひとが普段は見せない孤独、闇、翳りといったものを、ふとした拍子に垣間見た瞬間、に一致します。
そういう意味で、この連作短編の主人公の女の子たちに無性に惹かれるわたしがいます。彼女たち...
月魚 (角川文庫)
三浦 しをん
角川書店
(2004年05月)
読み終わった
読み始めてすぐに、この本を好きだと思いました。直感で。初めからこんなに惹きつけられる本は珍しいから、思い切って五つ星です。
とっても綺麗な話でした。一文一文がきらきらしてるみたい。綺麗すぎて、描かれる題材も馴染みの薄いもの(古本業界!)だっ...
ぼくは落ち着きがない
長嶋 有
光文社
(2008年06月20日)
読み終わった
うーん、なんというか、嫌いではない話なのだけれど。長嶋さんの「ジャージの二人」や「サイドカーに犬」が物凄く好きであることに比べたら、それほど大きな共感も感動も受けなかったなーという印象。作家さんをなまじ好きであるばかりに、中途半端に期待しすぎて...
ハイラスとフィロナスの三つの対話 (岩波文庫)
ジョージ・バークリ
戸田 剛文
岩波書店
(2008年04月16日)
読み終わった
わたしの大学の哲学の先生が訳した本だというので、気になって読んでみました。その先生はとっても面白くてユーモアのある方で、前書きと後書きからもなんだか人間性が伺えます。
内容は対話形式、登場人物はハイラスとフィロナスの2人だけ。作者バークリの考...
ヴェニスに死す (岩波文庫)
トオマス マン
Thomas Mann
岩波書店
(2000年05月16日)
読み終わった
短い小説ですが、一切の無駄がなく洗練されていて、綿密な構成・構築の結果作り上げられた作品だと感じました。描かれるのは芸術だとか美だとかいう抽象的なテーマで、神話や比喩に満ちているので、細かく理解するのは難しそう。でも、美少年に惹かれる主人公の情...
人間は進歩してきたのか―現代文明論〈上〉「西欧近代」再考 (PHP新書)
佐伯 啓思
PHP研究所
(2003年10月)
読み終わった
西欧の近代主義は正しかったのか? ということに関して様々な視点から考察し、合理的な進歩史観に疑問を投げかけます。途中は結構難しい部分もありますが、近代に興味があるひとにはお勧め。宗教的観点から見た個人主義の仕組みや、ニヒリズムの話が特に面白かっ...
恐るべき子供たち (岩波文庫)
コクトー
鈴木 力衛
岩波書店
(1957年08月06日)
読み終わった
子供の世界って、綺麗だけど残酷。凄まじいラストには衝撃を受けました。
愛しているのに、どうして壊してしまうのでしょう。
ナラタージュ
島本 理生
角川書店
(2005年02月28日)
読み終わった
静かな雨の風景が、この本にはよく似合う。
ずるくて汚いのだけれど、誰も悪くないんだよね。
夢十夜 他二篇 (岩波文庫)
夏目 漱石
岩波書店
(1986年03月17日)
読み終わった
何度読んでも好き。特に第一夜と第三夜。
何が夢で何が現かなんて、その境目は本当は曖昧なものなのかしら。
格闘する者に○ (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
(2005年03月)
読み終わった
三浦しをんさんのデビュー作。文学部の大学生が就職活動に奮闘する話、ということで、個人的にはとても他人事とは思えませんでした…(笑)
結局最後に何かすっきりした解決があるわけでもなく、流れてゆく日常の一部を単純に切り取ったようなお話。でもその中に...
フラニーとゾーイー (新潮文庫)
サリンジャー
野崎 孝
新潮社
(1976年04月)
読み終わった
『ナイン・ストーリーズ』が好きなので、その延長で読んでみた本。ふたつの作品に共通する登場人物もいたりして、面白く読めました。
ゾーイー兄さんが随分と格好良く描かれているのだけど、彼が妹に説く悟りの内容はいまいちピンと来ませんでした。うーん、...
青年のための読書クラブ
桜庭 一樹
新潮社
(2007年06月)
読み終わった
すごく良かったです。まさか最後にああなると思わなかった。読書クラブの女の子(もしくはおばあさま)たちの、達観した感じがすごく好き。みんな哲学者だなぁ。この作家さんの作品を、もっと沢山読んでみたくなりました。
それにしても読書クラブ、隠れ家的...
ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)
サリンジャー
野崎 孝
新潮社
(1986年01月)
読み終わった
大好きです。
まほろ駅前多田便利軒
三浦 しをん
文藝春秋
(2006年03月)
読み終わった
言わずと知れた直木賞受賞作。「便利屋」を題材にしてしまうのは少し安易な気もするけれど、わたしは結構好きです。多田さんと行天さん(←すごい名前!)の微妙な距離感がいい。
どうでもいいことですが、各章の扉(?)に描いてある漫画風のイラストがめちゃ...
むかしのはなし
三浦 しをん
幻冬舎
(2005年02月25日)
読み終わった
昔話を現代版にリメイクした作品、というよりは、昔話そのものが物語全体を暗喩する象徴のような役割を果たしている感じ。しかも、随分と読み進めてからやっと分かることだけれど、この本で語られること自体が、実は未来の人間の回想する「むかしのはなし」だ、と...
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