この手の戦争体験記は、ほとんどの場合元兵士からの取材や日記をもとにライターが文章を書いているかと思われます。
しかし、本書はまぎれもなく、著者である真貝秀広氏自身が執筆したものであることが「あとがき」より分かります。
真貝氏は1939年(昭和14年)12月に陸軍に入隊、44年に本書の書名にもなっている「インパール作戦」に陸軍伍長として従軍しました。
インパール作戦といえば太平洋戦争末期の無謀な作戦として比較的有名ですが、やはり著者も壮絶な経験をされています。
イギリス軍との激しい攻防、次々と戦死する戦友、負傷しても満足な治療が受けられず、病魔に侵され苦しみながら死んでいく兵士たち…
著者がその目で見てきた悲惨な戦争の実態が、著者自身の手によって書かれることで、どんなノンフィクションよりもリアリティをもって目に飛び込んできました。
戦争というものに漠然としたイメージしか持たない、私のような若い世代がぜひとも読むべき本だと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミリタリー
- 感想投稿日 : 2014年12月29日
- 読了日 : 2014年12月29日
- 本棚登録日 : 2014年11月15日
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