ゴリオ爺さん (新潮文庫)

  • 新潮社 (1972年5月2日発売)
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大学生の身でありながら学問はさぼりがちで
人妻訪問にばかり精をだす
ウージェーヌ・ラスティニャックがそうするのは
社交界で人脈を作ることこそ、出世の早道と信ずるからであるが
なにしろそのためには金がかかるのだった
そんな彼の前に、二人の男が現れては破滅し、去っていく
ジャック・コランとゴリオ爺さんだ
一人は、資産家の娘を篭絡してしゃぶりつくすことをそそのかす悪党
もう一人は、娘たちへの愛情だけを杖に生きてる惨めな老人
ウージェーヌは、そのどちらにも一定の共感を抱くが
しかし、どちらの示す道をも選ぶつもりはなかった
いわば父性との決別
それがナポレオン・ボナパルト斃れし後の
フランス共和主義の気分というものだったのかもしれない

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感想投稿日 : 2016年12月6日
本棚登録日 : 2016年12月6日

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