リップサービスの言葉尻をとらまえて
ビッグなビジネスチャンスをものにした猪木
しかしモハメッド・アリのスケールはあまりにも巨大だった
なにしろアメリカのリアルチャンピオンで
政治的影響力もある
「プロレス」のつもりで受けたアリを
真剣勝負の場にムリヤリ引きずり出した猪木が
結局、その試合を実現させるために
「手と足を縛られたような」ルールを飲んで挑むしかなかった
というのは、まあ当然っちゃあ当然の話だが
そんな猪木が試合当日に見せた戦法は、中腰にかまえての
狙いすましたスライディング・キック
ブラジル移民の息子である猪木に、ラテンの魂が宿ったのか?
ブラジルにはカポエイラという武術がある
手枷足枷をつけられ
自由を奪われた黒人奴隷があみだしたとされる技だ
ルールに拘束されての苦し紛れに出した猪木のそれは
彼なりの、とはいえまさしくカポエイラだった
島国日本のペリカン男が、世界を相手にしてなにがいけないのか
結果的に世紀の凡戦と言われようとも…
じっさい、DVDの終盤は半分寝ながらの観戦だったけれども…
それは確かに、自由への挑戦と呼ぶにふさわしい戦いだったのである
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- 感想投稿日 : 2015年12月10日
- 本棚登録日 : 2015年12月10日
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