GHQとスパイ活動、下山事件、ヤクザと政治家との癒着などのいかがわしい題材と、強烈な家父長制の下で汚物溜のように生きる狂気に満ちた天外一族の物語とが交錯する怪作。歴史の暗黒部と人間の暗黒部とが重なり合うのだから、当然不気味な作風にならざるを得ない。終盤に出てくる「こういう異常な状態にまともな論理が通用すると思うなら君は狂っている」という台詞は、むしろ作品全体を象徴するフレーズに思えてくる。期せずして一族への復讐を終え、作右衛門の血脈が滅びたあとに、一族との楔を断ち切った奇子が手に入れたものは自由だったのか、それとも…。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2013年10月31日
- 読了日 : 2013年10月31日
- 本棚登録日 : 2013年10月31日
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