サスペンス要素の強い内容だと思いますが、自分が入り込んだのは、そういったサスペンス要素ではなく、役人同士のやり取りでです。
本書で揚げられていた役人気質は政府だけでなく企業にも存在します。承認ルートを複雑にして責任の所在を曖昧にしたり、部署間で責任をなすりつけ合ったりしています。
企業に勤めて三年間、そういった場面に遭遇してきました。仕事をしていて苦慮するのが、誰の了承が得られればこの仕事を進めていいのか、どの仕事は自分の権限で進めていいのか、が掴みづらい点です。
例えば、案件の拒絶理由対応において最終承認者は上司になっているのに、ミスをした場合、自分がお咎めを受けることがあります。「それならば、責任は自分で負うから上司の承認は不要にしてほしい」と思ってしまいます。
上司を責めているわけではありません。仕事が専門化・細分化されてしまえば、上司といえども部下の仕事を完全には把握できなくなるでしょう。であれば、上司の及ばないところは権限譲渡して欲しいものです。
年の瀬に愚痴っぽくなってしまいました。蕎麦でも食べて気分一新しましょう。
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- 感想投稿日 : 2015年7月13日
- 読了日 : 2010年12月30日
- 本棚登録日 : 2015年7月13日
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