本書ではシンガポールについて取り上げられていました。そこで気になったので、シンガポールの知財状況。
明細書の言語は英語。日本と同じように公開制度があります。
審査において、fast trackとslow trackのオプションを選べるようです。fast trackとslow trackは何かと言うと、読んで字の如く、審査を早くするオプションと遅くするオプションです。自国で審査は行っておらず、他の特許庁に委託しているようです。
無効訴訟や侵害訴訟はシンガポール特許庁に請求するようです。
出願件数は約1万件。GDPは2500億ドルだそうなので、粗い計算をすると、2500万ドル/件となります。ちなみに日本はGDP58000億ドルに対して、出願件数は約34万件なので、1700万ドル/件となります。
この計算に意味があるのかと言われるとつらいですが、日本と同じ水準になるには、もう少し件数が伸びても良いように思います。
日本からは国内出願ではなく、PCT経由からの出願が多いようです。
ヨーロッパに来てまざまざと実感しましたが、国によって特許制度って本当に違うものなのですね。
今EUでは、これまでEU内でバラバラの権利だったものを一つにまとめるべくUnitary Patentなるものが進んでおりますが、アジアでも似たようなものができないでしょうか。その時は、日本が先導役となってほしいものです。
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- 感想投稿日 : 2015年5月31日
- 読了日 : 2013年4月1日
- 本棚登録日 : 2015年5月31日
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