講演録 若者よ、アジアのウミガメとなれ

著者 :
  • ゴマブックス株式会社 (2013年3月11日発売)
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感想 : 18

本書ではシンガポールについて取り上げられていました。そこで気になったので、シンガポールの知財状況。

明細書の言語は英語。日本と同じように公開制度があります。

審査において、fast trackとslow trackのオプションを選べるようです。fast trackとslow trackは何かと言うと、読んで字の如く、審査を早くするオプションと遅くするオプションです。自国で審査は行っておらず、他の特許庁に委託しているようです。

無効訴訟や侵害訴訟はシンガポール特許庁に請求するようです。

出願件数は約1万件。GDPは2500億ドルだそうなので、粗い計算をすると、2500万ドル/件となります。ちなみに日本はGDP58000億ドルに対して、出願件数は約34万件なので、1700万ドル/件となります。
この計算に意味があるのかと言われるとつらいですが、日本と同じ水準になるには、もう少し件数が伸びても良いように思います。

日本からは国内出願ではなく、PCT経由からの出願が多いようです。

ヨーロッパに来てまざまざと実感しましたが、国によって特許制度って本当に違うものなのですね。

今EUでは、これまでEU内でバラバラの権利だったものを一つにまとめるべくUnitary Patentなるものが進んでおりますが、アジアでも似たようなものができないでしょうか。その時は、日本が先導役となってほしいものです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年5月31日
読了日 : 2013年4月1日
本棚登録日 : 2015年5月31日

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