あたしはこの世界観、好きだ。
比較文化学類の先輩の作品で、12月に講演会があるから読んでね、と言われたのでテスト期間中だが買った。
記事書いてないけど、レポート消化しきれてないけど、読んでしまった。
なんでもないような、ちょっと不思議なショートショートのなかに、ちょっと残酷な話があったり、哀しい話があったり、くすっと笑える部分があったり。
個人的には、暦屋とその娘のユーモラスな感じがとても好きだった。2学期まで。
3学期、大停電のさなか、いやーな予感がちょっとずつ、ちょっとずつ形を帯びてきて、ぞわわってなった。
最後は、衝撃。
ちょっとぼーっとなって、涙がつーって伝って、もう一回大事なところを読んで、つながっているところに気付いて、それからもっかい最後の一文を読んで。
「あの子の山高帽をほめてもらえて、とてもうれしかった」
その一文をもういちど咀嚼して、たぶんいろいろあって疲れていたんだと思うんだけど、ぶわーって涙がでて、声をあげて泣いてしまった。なんでかは分からない。
最初はつかみどころのない作品だと思ったけれど、最後はこの本読んで良かったな、って思った。
他の人の読書ブログとか読んで気付いたのだが、
「気に入った本を気が向いたときに読む」という古本屋の言葉に、暦屋の娘はどれだけ傷ついたんだろうと思うと、胸が苦しくなった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年11月23日
- 読了日 : 2012年11月23日
- 本棚登録日 : 2012年11月23日
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