キリハラキリコ (小学館文庫 こ 19-1)

  • 小学館 (2010年12月7日発売)
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本棚登録 : 257
感想 : 42
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あたしはこの世界観、好きだ。
比較文化学類の先輩の作品で、12月に講演会があるから読んでね、と言われたのでテスト期間中だが買った。
記事書いてないけど、レポート消化しきれてないけど、読んでしまった。

なんでもないような、ちょっと不思議なショートショートのなかに、ちょっと残酷な話があったり、哀しい話があったり、くすっと笑える部分があったり。
個人的には、暦屋とその娘のユーモラスな感じがとても好きだった。2学期まで。

3学期、大停電のさなか、いやーな予感がちょっとずつ、ちょっとずつ形を帯びてきて、ぞわわってなった。
最後は、衝撃。
ちょっとぼーっとなって、涙がつーって伝って、もう一回大事なところを読んで、つながっているところに気付いて、それからもっかい最後の一文を読んで。
「あの子の山高帽をほめてもらえて、とてもうれしかった」
その一文をもういちど咀嚼して、たぶんいろいろあって疲れていたんだと思うんだけど、ぶわーって涙がでて、声をあげて泣いてしまった。なんでかは分からない。

最初はつかみどころのない作品だと思ったけれど、最後はこの本読んで良かったな、って思った。
他の人の読書ブログとか読んで気付いたのだが、
「気に入った本を気が向いたときに読む」という古本屋の言葉に、暦屋の娘はどれだけ傷ついたんだろうと思うと、胸が苦しくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年11月23日
読了日 : 2012年11月23日
本棚登録日 : 2012年11月23日

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