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夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)についてのよんろうさんのレビュー


なれのはて»

本棚に入っているもの、床に積まれたもの、枕元で今にも崩れ落ちそうなもの。 整理整頓のできない人間なので、せめて印象に残ったものだけでもこうして整理してみようかと。

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF) 867人が登録 ★4.10

著者: ロバート・A.ハインライン  制作: Robert A. Heinlein  福島 正実 
本 / 早川書房 / 383ページ / 2010年01月30日発売

レビュー by よんろうさん

やさしさについて   未設定  3  登録日: 2011年12月25日

『タイタン』、『電気羊』と読みSFの面白さを知り、次に何を読もうか、というところだった。タイトルと後ろの解説にやれてしまい「なぜ冬に?」という突っ込みをいれつつ購入した。

夏が好き、というわけではない。
むしろ夏よりも春や秋のような過ごしやすい季節が好きだ。特に晩夏~初秋にかけての妙なさみしさが、一年の中でも最も落ち着く。そういえば今年はそんな時期がなく一気に冬になってしまった。
高校までは水泳部だったので夏は一番練習量も多く、海での活動や大会、イベントが目白押し。日々こなしていくなかで、一瞬で過ぎてしまう季節だった。
夏に対して「濃密な季節」というイメージを持っていると、この小説での「夏」のイメージと少し違和感を持つかもしれない。自分もそうだった。
舞台が西海岸~中央部のようなので、向こうの夏は日本のうだるような暑さではなく、カラッとしたさわやかな季節なのだろう。日本でいう春先に置き換えるといいのかもしれない。

ここに描かれる「夏」とは暖かさ、良き時代、生き生きとした世界といったイメージである。それは日本でも似ているだろう。
主人公は夏を求めてコールドスリープとタイムトラベルを駆使する。
頑固で女々しいところもある主人公だが、時間旅行を通して段々と逞しさを身につけていく。少々出来すぎたエンディングなので拍子抜けしてしまうかもしれないが、そこは御愛嬌。
夏くらいはいい思いをしてみたいじゃないか。
何年かたってから「あの夏は楽しかった」と振り返るくらいが、ちょうどいい気がする。


寺山修司の歌にもある。

  わが夏をあこがれのみが駆け去れり 麦藁帽子かぶりてねむる レビュー登録日 : 2011年12月25日


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