開高健はメジャーであるが誰もが読む作品ではない、少なくとも高校や中学の教科書には載らない。学校が求める(従順さを基礎とした)道徳とは折り合いがつかないし、多くの作品が(教育委員会の基準では)大人向けに書かれているのは間違いない。
ある種の暑苦しさは否めないが、一気に作品に引きずり込む高橋源一郎や内田樹の言うところのドライブ力から言えば(彼らの絶賛する)村上春樹のそれとはまったく比較にならない。
私が高校の教師なら、国語の授業でつまんなそうにしているやつに読ませる、そのうち三人に一人は「悪くねぇじゃん」と思うでしょう。開高健が憧れていたであろうヘミングウェイの英語は良いお手本とされるがそれとは少し違う。ヘミングウェイは優等生の課題図書としてアメリカの高校生が読まされるが、開高健はちょっと意地を張ってグデンとしている生徒にそれとなく読むように仕向けることはあっても、ハイ皆さんこれを読んできてくださいということはない。
ただ、受験まっしぐらの高校3年生が開高健のパンチをどう受け止めるのかちょっと興味はある。
(私は高校生のときに開高健を読んでいたと思うが、受験まっしぐらでもなければ、国語の授業で詰まらなさそうにしていたこともなかったと思う。教科書の間に文庫本はさんで読んでたけど。)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年9月5日
- 読了日 : 2010年9月13日
- 本棚登録日 : 2009年3月25日
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