空色ヒッチハイカー

著者 :
  • 新潮社 (2006年12月1日発売)
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本棚登録 : 506
感想 : 82
3

完璧な「お兄ちゃん」を追う弟・彰二。
それをひとやすみして旅にでる。
「お兄ちゃん」の車で。無免許で。
免許証は「お兄ちゃん」が以前紛失して、再発行してから出てきたもの。
なぜ再発行したものを使わないのかと思ったけれど
いつの間にか忘れてしまった。
本当は大きな意味があったのに。

「お兄ちゃん」は過去形で登場する。
それに彰二はどこか悲しそうでもある。
だから旅の相棒となった杏子ちゃんと同じことを考えた。
・・・もういないのだと。

関東から九州までの間には、いろんな人たちと出会う。
見知らぬ人が見知らぬ人の車に乗る。
けれどそこには危うさなど微塵もない。
わたしも乗ってみたいとすら思う。

そして旅をしていた理由がわかるあたりで
ストーリーの空気が変わっていく。
大事なものを取り戻すために出場したのは「イチゴ飛ばし」。
苺を口にいれてプッと吹き出すのだ。
なんと粋な競技の登場だろうか。


彰二と杏子ちゃんのこれからははじまったばかりだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 橋本紡
感想投稿日 : 2013年3月13日
読了日 : 2013年3月8日
本棚登録日 : 2013年3月13日

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