時代を超えて因縁の地…鸚鵡楼とその跡地で起きる殺人事件。
冒頭のエピソードはどこに繋がるのかと思っていたら、「そうきたか!」というところへと繋がっていた。
設定など多少違和感を感じるところもあったけれど、女性の陰湿さや愚かさ、くだらないことにこだわる歪んだ執着心や方向性の間違ったプライドなど、女性の嫌な面を描かせたらさすがに上手い。
もっとも理解しづらかったのは沙保里の精神状態だ。
いくら過去の男がトラウマになっているからといって、あれほど実の息子を愛せないものだろうか。
妄想もあそこまでいくともはや病気の域だと思う。
それとも、沙保里は潜在的に精神的な何かを患っているという設定だったのだろうか。
読み取れなかったのは読む側であるこちらの責任かもしれないけれど…。
残念だったのはこれはミスリードだな、と途中で気づいてしまったこと。
事件の鍵を握る重要な人物が唐突に登場したこと。
過激な描写が一部にあるので、ある程度年齢がいっていないと読みづらい箇所があること。
鸚鵡楼という名称のインパクトが強かった。
物語の展開には直接関係してはいないけれど、鸚鵡の使い方がうまいなと感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2017年4月26日
- 読了日 : 2017年4月26日
- 本棚登録日 : 2017年4月26日
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