身代わり (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2012年10月10日発売)
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本棚登録 : 345
感想 : 37
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「依存」で精神的に不安定な状態に陥ってしまった匠を支えるため、高瀬は匠と共にしばらく姿を消す。
その間、祐輔の飲み会に久しぶりに顔を見せた曾根崎が帰り道で刺殺されてしまう。
彼は何故殺されなければならなかったのか?
彼は何故自宅とは遠く離れた場所にいたのか?
どうしても納得できなかった祐輔は、事件を調べ始めある結論に達するのだが・・・。
犯人の冷徹な思考回路が怖い。
自分の利しか考えない計算高さと、ためらいなく実行してしまう心が怖い。
意外な動機と犯人。
タイトル「身代わり」が、読んだ後にはより一層深い意味を持って感じられる。

匠と高瀬の間に流れる空気が好きだ。
辛いことがあっても、苦しくて生きる意味を見失ってしまいそうでも、寄り添ってくれる人がいるだけでどんなに救われることか。
大切な存在は、誰にでもきっといるはずだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2017年4月28日
読了日 : 2017年4月28日
本棚登録日 : 2017年4月28日

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