あまりにも著者である八木さんの伝えたいことが全面に出すぎて、ミステリーとしての面白さが目減りしてしまっているような気もしてしまう。
登場人物も年齢差が歴然とあるはずだ。
なのに、何故か読んでいるとそれぞれの言動から年齢をうかがい知ることが出来ない。
たぶん描き分けがはっきりとしていないためだろう。
主人公である犯人の言っていることは間違ってはいないと思う。
でも、すべてが正しいわけではない。
どうしても犯人の方法に共感することができなかった。
物語を通して伝えたいことはわかるけれど、力が入りすぎてしまって多少辟易しないでもない。
本当に伝えたいことはもう少し淡々と描いてもらったほうが読みやすいような。
国家の財政問題をとりあげたのは興味深かったけれど、ミステリーとしては題材としてこなれていない。
人物描写も含めて残念な思いが残る物語だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2017年2月22日
- 読了日 : 2017年2月22日
- 本棚登録日 : 2017年2月22日
みんなの感想をみる