Yの悲劇 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1958年11月18日発売)
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本棚登録 : 248
感想 : 27
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翻訳小説は、どの訳者で読んだか、ということがすごく大きいと思う。やはり最初に読んだ版というのは、一番愛着がわくものだろうと思う。……英文の専門家からは何かと批判の多い大久保康雄だが、こと小説の訳としては、たとえば最近読んだ宇野某の翻訳した版などは、大久保版に遠く及ばないように感じる。本作は他にも何種類かの翻訳があるけれど、ぼくの読んだ限りでは、この大久保版がもっとも、小説文体として、作品の持つ魅力を引き出すものになっていると思う。
 ミステリ史に残る、ほとんどパーフェクトに近い傑作だからこそ、未読の方には是非(甲乙付けがたい前作『Xの悲劇』とともに)、この大久保版でお読みになられることをお奨めする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2010年12月15日
読了日 : 2011年10月29日
本棚登録日 : 2010年12月15日

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