「専門書」という趣の体裁。であるが、平易で読み易い文章である。
教員、生徒、親。それぞれの立場での自殺予防プログラムへの取り組み方が示される。各章に重複する記述も多く、例えば教育関係者は「教師を対象とした自殺予防プログラム」の章を参照する、という使い方が想定される御本。読書する本というより、関係機関の職場に常備されるマニュアル本である。
「自殺のケース研究」の章もあり、この章は非常に興味深い。
自殺は、本人の精神疾患のみに原因が求められるのでなく、家族全体の病理と深く連関していることが例示される。それだけに、精神科医も、教師も、家族の問題に介入する覚悟が要る。しかし、それは容易なことではない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自殺 精神医療 心理
- 感想投稿日 : 2015年11月15日
- 読了日 : 2007年6月9日
- 本棚登録日 : 2007年6月9日
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