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歴史小説。時代小説。長いから。 歴史/時代のジャンル分けは自分基準。

雲奔る - 小説雲井達雄 (中公文庫)

藤沢 周平

/ 中央公論新社 / 2012年05月23日 発売



全1巻。
幕末の志士、雲井龍雄を描いた作品。

まず、雲井龍雄が誰なのか知らなかったけど、
著作「回天の門」の清河八郎と同じく、
著者の地元から出た幕末の志士らしい。
「回天の門」が幕末初期、
本著が幕末後期の物語。
http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4167192160

文章は硬く、説明の多い歴史小説。
前知識とか無いと理解が難しかったりする。
歴史が好きだって人か、
地元の人じゃないと読んでてキツいかも。
淡々と史実を重ねていく感じで、
時代ものの著者っぽい親しみやすさというか
のめりこむ感じは弱い。
ニヒリズムは漂うけど。

自分は少し田舎が近いので、
「回天の門」と同じく、目が開かれるような思いを抱いた。
あんな田舎でも、時代に立ち向かって奔走した人がいた事実は
結構ショック大きい。
しかも享年27歳。
志士として動き出したのが6年前の21歳。
自分がそのくらいのころ、一体何ができたのかと。

小説として楽しめたかって言うとそこそこだったけど、
地元の埋もれた偉人を書き起こしてくれてるのは
とてもありがたい。


2012年05月30日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年05月30日) |

天地明察(上) (角川文庫)

冲方 丁

/ 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2012年05月18日 発売



全2巻。
ちょいちょい評判を目にするので読んでみる。
賞を5つも穫ってるらしい。
映画化もされるみたい。


徳川四代将軍・家綱の時代に実在し、
暦の変更に尽力した人の生涯。

暦って昔はずっと正しくないの使ってて、
それが正しくないとは知りながらも
変えることが難しかったらしい。
暦を司るって言うのは天皇の権威だから。
加藤廣の「信長の棺」でもそんなこと言ってた気がする。
たしか。
http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4167754010

で、
それを改正しようぜって動きを
若者の情熱と、幕府側の政治的な狙いを
盛り込んで物語にした感じ。



まず、この作家さん。
なんかいろいろやってる人らしい。
アニメとかマンガとかゲームとかライトノベルとか。
いわゆる硬派な小説家ではないっぽい。
それで若い人やたら食いついてたのね。
きっと。

ただ、意外にも、ライトな感じってのはあんま無かった。
きちんと調べたんだろうなあって感じ。
逆に、キチンと書かなきゃって
生真面目になってる堅苦しさみたいなのを感じた。
むしろ。

専門分野の話だから職業小説ぽい部分もあるんだけど、
「火天の城」の山本兼一みたいに、
知らなくても読ませるって強さはあんま無く、
いまいち想像つかないまま読み進むって感じ。

なんで、
基本は主人公のキャラ造形を楽しむ話かも。
情熱とか青春を。

ただ、そうやって見ると、
実在の人物をベースにしてるから
あんまり人生をいじくれなかったようで、
少し中途半端。
夢も恋も一本道じゃない。
小説だとそこそこ読めるけど、
これ映画化したらコケるだろうなって感じがすごいした。



ざっくりまとめると、
中途半端な青春小説に、堅苦しい説明書きを足した感じ。
それなりにワクワクし、引き込まれたけど、
そんなに騒ぐほどかねって思った。
泣いたけど。
結構。
泣いたけども。

でも、
もっと面白い本は一杯ある。


2012年05月27日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年05月27日) |

風渡る (講談社文庫)

葉室 麟

/ 講談社 / 2012年05月15日 発売



全1巻。
黒田勘兵衛とキリシタンの通訳の2人生き方を通して、
戦国時代をキリシタンの視点から見るお話。

きちんと書くタイプの著者だし、
史実ベースなので、
背景説明などが多く、堅い。
ぐあっとした盛り上がりはあんま無く、
手に汗握る展開も無い。
けっこう淡々と事実を重ねていく印象。
終わり方もホワッとしてる。

ただ、信長の神観や、目指した国の形、
竹中半兵衛の造形などは
個人的に目新しく、おっと思った。


大枠はきちんとまとまり、
きちんと目新しいんだけど、
盛り上がりとメリハリに欠ける。
黒田勘兵衛の歴史ミステリーなのか
キリシタンから見た戦国史なのか、
少しボンヤリした印象の物語。


2012年05月18日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年05月18日) |

実朝の首 (角川文庫)

葉室 麟

/ 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2010年05月25日 発売



全1巻。
今年の直木賞取った作家さんの初期作品。

藤沢周平ぽいとささやかれる著者だけど、
今作は隆慶一郎ぽかった。
歴史の死角を突いた伝奇もの。

歴史の独自な解釈や、
どろどろした政争、
力強い豪傑達と妖しげな刺客達、
そして人としての成長と気持ちの良い仲間達。

胸躍り、涙する展開なんだけど、
少しだけキャラの掘り下げが浅い。
灰汁の強い登場人物達を使い切れなかった印象。
特に幻術的な妖しさを持つ敵役とか。
この程度だったらそんな設定無かった方が良いのに。

あと、やっぱり最後蛇足な感じ。
多いな。そういうの。この人。

テーマも舞台も設定も好き。
おしい。


2012年05月15日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年05月15日) |

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

宮部 みゆき

/ 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2012年04月25日 発売



全1巻。
新シリーズ1の1作目。
オカルティックなホラー。
ちょっと変わった百物語。

ただ恐いって感じじゃなくて、
ホラーな話を通して傷を癒していく感じ。
人それぞれの。
結局恐いのは人っていう著者らしいホラーで、
かつ、優しさを感じる物語。
恐さが強いけど。

クライマックスの盛り上がりとかさすが。
まさかこんな手に汗握る展開になるとは。
このノリで。
すごく映像的。

百物語だし百話まで続くんかな。
まだ5話だけど。


2012年05月14日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年05月14日) |

オランダ宿の娘 (ハヤカワ文庫JA)

葉室 麟

/ 早川書房 / 2012年04月06日 発売



全1巻。

今まで読んだ著者の作品の中では異質。
主人公が女だし、町人だし、何よりミステリーだし。
しかも途中オカルティックな展開になってみたり。

外人が泊まる定宿の娘姉妹の視点で、
シーボルト事件、その裏に隠された陰謀に迫る
オカルトミステリー。


個人的には中途半端な印象。
史実の新解釈だったり、
オカルトで事件解決だったり、
隠密が暗躍する政争だったり、
海賊組織との対決だったり、
恋心だったり。
いろいろちりばめられているものの、
それらがいまいち大きく固まらず、
それぞれがパラパラッとしてて、
で?って感じ。
あんま入ってこなかった。

でも、間宮林蔵の造形は新鮮。


2012年05月10日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年05月10日) |

いのちなりけり (文春文庫)

葉室 麟

/ 文藝春秋 / 2011年02月10日 発売



全1巻。
今年の直木賞とってた作家さん。
後半まで読んで純愛小説だったことに気付く。

和歌をテーマにしてるけど、
武士の物語なので、なよなよはしてない。
「雅」と「武」のバランスが絶妙で、
ドキドキしながらも美しい。
べたっとしたチャラい恋愛ものって感じは無く、
キレイで硬質な純愛物語。
おっさんがグッとくる。
「蔵人殿は恋をしてござるゆえ」とか、もうね。

あいかわらず登場人物の名前とか説明とか
丁寧すぎて逆に煩雑な感はあるけど、
この作家さんになれてきたのでそんな気にならず。
ただ、最後の方少し蛇足な感はある。

役所広司とかで映画化されそうな感じ。


2012年05月08日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年05月08日) |

西遊記〈1〉 (文春文庫)

平岩 弓枝

/ 文藝春秋 / 2009年03月10日 発売



全4巻。

なんでか、たぶん、自分の世代は、
西遊記がすごく人気あった気がする。
小さい頃。
でもちゃんと読んだことはそういや無いかも。
平岩弓枝の西遊記つうのも興味深いので読んでみる。

吉川三国志みたいに、
あんまり小説っぽく作らずに
ちゃんと訳しましたって感じ。
なんで、そんなに軽快さとか読みやすさは無い。

仏様の手のひらエピソードが無かったり、
沙悟浄が河童じゃなかったり、
如意棒が如意棒って名前じゃなかったり、
自分の記憶とずれる部分も多い。

小説っぽさはそんなないので
のめり込んでく感じは弱かったけど、
なんやかんやグッとくる。

悟空がいじらしくて好き。
八戒ムカつく。
後半いいやつだけど。


2012年05月07日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年05月07日) |

退屈姫君 これでおしまい (新潮文庫)

米村 圭伍

/ 新潮社 / 2008年12月20日 発売



全1巻。
退屈姫シリーズ完結編。

別作品としてこのあと1作あるらしいけど、
とりあえずこの卷でシリーズ完結。
最後だけあって今までで一番物語が込み入ってて、
見せ場も盛りだくさん。
謎解き有りアクション有りで、
このシリーズで初めてドキドキワクワクした。

いつのまにか登場人物達を好きになってしまっていたらしく、
これでおしまいって言われると、
寂しくて泣きそうになる。
最後にみんなのその後がちょこっと書かれてて、
泣きそうになりながらも爽やかな笑い。

シリーズ集大成。
これはよい。


2012年05月02日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年05月02日) |

退屈姫君 恋に燃える (新潮文庫)

米村 圭伍

/ 新潮社 / 2005年09月 発売



全1巻。
退屈姫君シリーズ3作目。

恋に燃えるっつっても
退屈姫さまじゃありません。
人妻ですもの。
人の恋路の応援です。
そこに宿敵、田沼意次が横やりを。
藩を巻き込む一大事にって話。

前作より好き。
そして登場人物たちが大分好きになってきた。
思わず吹き出すとこも多い。
電車の中で読んでるのに。

ただ不思議なのが、
主人公の退屈姫は
そんなに大好きじゃない。
父ちゃんとか義弟とか好き。
もしかしたらあんま人間味ないのかも。
主役。
まあ、しょうがない。
姫だから。


2012年05月01日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年05月01日) |

退屈姫君 海を渡る (新潮文庫)

米村 圭伍

/ 新潮社 / 2004年09月 発売



全1巻。
退屈姫君シリーズ2作目。

海を渡るっつっても
外国ではありません。
船のって四国の国元に行くって話。
海全然関係なし。
異国感も全然無し。

国元で事件が起きるってことで、
風流冷飯伝のキャラ達が登場。
2つの話が今作でつながる。

「風流冷飯伝」
http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4101265313


話はそんなに。
風呂敷広げた割にこじんまりって印象。
タイトルからして。
ただ、段々キャラに愛着が出てきた。
個人的に。


2012年05月01日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年05月01日) |

風流冷飯伝 (新潮文庫)

米村 圭伍

/ 新潮社 / 2002年03月 発売



全1巻。
退屈姫君伝の著者1作目。
退屈姫君伝と別物だけど、
退屈姫君伝につながってる。
退屈姫君伝のちょっと前の話。
退屈姫君伝の2巻め読もうとしたら、
冒頭で、こっちを先に読んだ方がって書いてたので読んでみる。

「退屈姫君伝」
http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4101265321

のんびり不思議な小さな藩の
のんびりクセのある次男坊(冷や飯食い)が
のんびりのほほん事件解決。

退屈姫君伝より好き。
話の完成度も高い気がする。
少し爽やかな青春小説のにおいもする。

ただ、惜しむらくは脇役のキャラ立ちが甘い。
せっかくズッコケ3人組なメンツなのに
主人公以外の2人が影がうすい。
在り方が妙なだけで、
キャラとして魅力的というにはちょっと足りない感じ。
3人の活躍が見たかった。

退屈姫君伝より前の、プロローグ的なお話だけど、
退屈姫君伝読んでからの方が面白いかも。


2012年05月01日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年05月01日) |

秋月記 (角川文庫)

葉室 麟

/ 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2011年12月22日 発売



全1巻。
今年の直木賞とってた作家さん。
読むの2冊目。

次第に孤立していきながらも、
信じた道を歩き通した侍の生き様って話。

藩内の政治抗争を舞台とした、
悪玉•善玉、友人•敵が割り切れない
複雑で人間くさい物語。
「銀漢の賦」を読んだときも思ったけど、
どことなく藤沢周平ぽい。
読了感が。
あとがきにもそれっぽいこと書いてあった。
藤沢より四角張ってるけど。


ぐいぐい引き込まれ一気に読まされたけど、
もう少し長く、深く掘り下げてもよかったかも。
時間の流れが速く、やや駆け足気味。
特に後半。

また、人物や背景の説明描写が堅苦しく、細かい。
のに、冒頭のいきなり読者が物語に放り込まれる感じとか、
呼び名がいろいろあって誰が誰だっけって感じとか、
理解するまで少しまごつく。

少し内容が似ているためか、
初めて読んだ「銀漢の賦」ほどのインパクトはなかったけど、
正統派の時代小説な感じ。
この人のチャンバラ割と好きかも。


追記
再読がおすすめ。
この人の読者に優しくない感じとか
たまに嫌みに感じるくらい四角張った感じとか
1回読んだだけだと物語がわかりにくいかも。
再読した方が泣いた。


2012年04月22日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年04月22日) |

由比正雪 (1) (文春文庫 (230‐10))

早乙女 貢

/ 文藝春秋 / 1985年08月 発売



全10巻。
分厚い。

ほとんど詳細が分かってない由比正雪を
どうやって分厚い10冊に広げるのか楽しみに読んでみる。
が。
これはない。
小説由比正雪と思って読むと痛い目に。
9割が別の小説。

由比正雪としての話は最後の1巻だけ。
まあ、ほとんど分かってない人だから、
由比正雪の乱までがフィクションなのはしょうがない。
むしろそこをふくらませるのが小説家の仕事と思うし。
問題はそこじゃなく、1本の小説になってないこと。

短編というには長過ぎるボリュームの
別々の話をまとめた感じ。
チャンバラあり忍者あり捕り物あり。

一応由比正雪の生涯の物語になってるけど、
それぞれの事件が別に関係し合ってない。
ほとんど独立してる。

別に独立した短編シリーズならそれでもいんだけど、
ほとんどが謎を残し、すっきりしないまま、
いつのまにか別の話になってる。
だから後半話がまとまるのかと思いきや
それらには全く触れずに、放置のまま物語は終了。

実際の生涯だと、
全てに筋が通ることは難しく、
1本の物語にはまとまらないのかもしれんけど、
小説でそれをされたら意味が分からん。
しかも別の人目線の物語とかまじってくるし
なにがなんだか。

さらに、司馬遼みたいなくどくどしい解説がちょいちょい入り、
話が横道にそれる。
そして、これがまた長い。


ぶっちゃけ、1巻と最終巻だけでよい。
なぜにこんだけ壮大に回り道したのか。
ものすごく煩雑で、どっちつかずの話になっちゃた。
物語は面白いだけに残念。


2012年04月22日 | コメント(0) | 歴史小説 | 読み終わった (2012年04月22日) |

退屈姫君伝 (新潮文庫)

米村 圭伍

/ 新潮社 / 2002年09月 発売



全1巻。
シリーズ物っぽい。
シリーズ1作目。

あれだ。
あんみつ姫。
あんま覚えてないけど。
おてんばなお姫様がドタバタしながら事件解決。

講談みたいな軽快な語り口で、
ユーモアたっぷりにさくさくストーリーが進む。
読みやすいんだけど、
時代もの入門として人にすすめるには若干専門的で、
時代小説好きには話の薄さが嫌われそう。

姫さまが天真爛漫なのにエロスの耐性強かったり、
身分の差にルーズだったり、
架空の藩を舞台してるのに時代背景に割と踏み込んでみたり、
初心者にも玄人にも受け入れやすいよう
工夫してるのかもしれないけど、
ちょっとどっちつかずの印象。

そんなに嫌いじゃないんだけど、
宮部みゆきが書いてる「霊験お初捕物控シリーズ」
(同じくおきゃんな少女が謎解きする。ちょっと似てる。)
とかに比べて残るものがない。

シリーズぽいので他読んでみたらもっと好きになるかも。
粋な語り口は割と好き。


2012年04月14日 | コメント(0) | 時代小説 | 読み終わった (2012年04月14日) |


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