全1巻。
藩を放逐された浪人が、
亡き妻の遺言を守るために帰ってくる。
帰参した浪人を待っていたのは
藩を二分とする御家騒動。
保身に勤しむ甥っ子とともに
好まざる争いに巻き込まれていく。
って話。
や。
いいね。
本当、葉室先生は小藩の政争が抜群にうまい。
今の作家達の中でピカイチだと思う。
ロマンチックな「想い」の設定は
胸が苦しくなるほど切ないし、
どんでん返し連続なミステリーは、
だれもが怪しく見える前半とか本当秀逸。
ただ、惜しむらくは謎解きパート。
それぞれの謎の答が深く絡まり合ってなく、
小粒な謎が一杯って印象になっちゃってる。
「想い」についても駆け足消化な感があり、
「事件の真相」「妻の真実の想い」に絞って
うまく昇華してほしかった。
ちょっと要素が多すぎ。
まあ、
少し白けた後味は残るかもしれないが、
グッとくるのは間違いないと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2015年1月6日
- 読了日 : 2015年1月6日
- 本棚登録日 : 2015年1月6日
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