物語がつくった驕れる平家 貴族日記にみる平家の実像 (日記で読む日本史)

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  • 臨川書店 (2017年2月7日発売)
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感想 : 3
5

そもそもこの時代の日記とは…という初歩的なところから解説が入ったので有難かった。何となく自分の中で抱いていた「日記」の認識とはだいぶ違っていて…もう少し早くに知っておくべきだったなぁと反省。平家物語は「物語」であり史実ではない(残した方は歴史を残すつもりで作ったと思うけど)けれど、殿下乗合事件の清盛、重盛、周りを取り巻く環境…の章は私には初めて知ることばかりで驚いた。「おわりに」にあった「物語の重盛像の方が史実に近く、歴史学者の提示した重盛像の方が誤っていた。そんな事例もあるので事はそう容易ではない」の言葉が、実に深く刺さった…。そういや以前読んだ本に「〜であった、ということは容易いが、〜ではなかった、と言うことは難しい」と書いてあったような。これからも新しい発見や解釈がどんどん出てくるのか、すごく楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 平家物語関連
感想投稿日 : 2017年6月10日
読了日 : 2017年6月10日
本棚登録日 : 2017年6月10日

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