bunkitiさんの本棚»
読んだマンガはなるべく感想を書こうと思っているので過去に読んだものも思い出しつつ。
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江戸の大童貞・ドゲレツ斎を先祖にもつ中年・土毛が、モテない中学生とともに大童貞を目指す下ネタギャグマンガ。
ドゲレツ斎という名称、サンバイザーからも分かるように、キテレツのパロディ、途中からトーナメントが始まり、おそらく男塾のパロディだと思われる。
全編下ネタ。基本、どうしようもなくくだらないのだが、「お気に入り女子ランキング」を心の中でこっそりとつけてみたり、変にプライド高かったりという、モテない中学生の行動は意外とリアリティがあるのかもしれない。
あと、直接的に読者に呼びかけてくる作者のナレーションがツボに入って、笑いをこらえることが出来ない。なんでか分からんが、あれだけ下らないことを力強く呼びかけられると、もうそれだけで駄目だ。笑ってしまう。
もちろん人を選ぶのだろうが、伊集院光さんのラジオとかが好きな人や、童貞心を忘れない人は合うかも。
2010年03月05日
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ルノアール兄弟
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優等生眼鏡とお気楽バンド男の恋を丁寧に描写した傑作BL漫画「同級生」の続編。「冬」と「春」で完結。
BLなので当然同性愛なわけだが、清潔感をもって、やきもきするような恋愛感情をじっくりと描いているので、ほとんど気にならず、抵抗感無く読むことが出来た。
恋愛をしている際に、相手のことを想うがゆえにかっこ悪いことになっちゃう描写が、身に覚えがありすぎる。
一人で考え込んで、相手に八つ当たりしてみたりとか。
「大丈夫?」って聞いて「大丈夫」と答えさせちゃって失敗したと感じたり、それでも心配でつい「大丈夫?」と聞いてしまったりとか。
テンパって思わずキスしちゃってディープになっていくところで素に戻って慌てて中断して帰ったりとか。
割って入る隙間の無い片恋慕にじりじりしながら、つい逆走するように、二人をけしかけてしまう原先生の気持ちもよく分かる。甘酸っぱいのう。
進路や家族の病気といった現実的な問題と恋とをいかにして両立するのか、も非常に良くかけてると思う。草壁の素直さが佐条を優しく支えている。
この素直さが自分にあれば、あの時ああはならなかったろうに・・・なんて考えてしまう。
2010年02月23日
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中村明日美子
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仕事にかまけ、家族の言葉に耳を傾けることを厭んできた「おとうさん」。仕事を失い、家族にも逃げられた彼は、飼い犬とともに車上生活を始める。こうの史代さんを思わせる絵柄と空気感。
ベタもベタだが、細部まで丁寧に作られており、犬の真っ直ぐさも相まって、胸に迫るものがある。
「おとうさん」と愛犬との生活をつづる表題作とその後日談である「日輪草」の二篇から構成されている。前者のみならば、ハチ公物語の変形に過ぎないよう感じたが、後者で、その悲劇がある公務員に与えた影響を描くことで、物語に深みが生じている。
向日葵に囲まれた犬と朽ち果てた車という装丁は、絵として綺麗な上、物語を集約していて、実に良いデザインだ。
2010年02月20日
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村上たかし
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伝説的トラッカーを父に持つ、長距離トラッカー三河度胸を中心とした宇宙飛行士選抜試験の模様と、火星を舞台に、宇宙飛行士スチュアートと謎の物体テセラックとの対峙を交互に描く。
十分に面白いが、中途半端なところで打ち切られてしまっているのが悔やまれてならない。描ききっていたら、傑作SFとなっただろう。
人間の宇宙進出を拒むかのようなテセラックと、人間の可能性を実直に訴え続ける度胸たちとの対比構造が面白い。この二項対立がどう発展していくのか見たかった。
しかし、この山田芳裕さんの漫画の感想を書くのは難しいなぁ。
面白い。間違いなく面白い。熱量も高いし、絵も実に印象的、物語性も非常に高い。
しかし、それらはなぜか残らない。残るのは興奮の余韻のみである。
これは欠点として指摘しているのではなく、ただひたすら読者を巻き込んで、興奮の高見にまで連れていく、純粋なエンターテイメント性みたいなものが、山田芳裕作品を占めているのだと思う。
2010年02月17日
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田舎のバレエスクールに通う少女ノンナは、ある日、ソビエト随一の男性ダンサー、ユーリ・ミノロフに才能を見出され、レニングラードバレエ学校に入学することとなる。
ライバルとの闘いとユーリへの思慕を二本柱にして、展開する。
非常に定型的な少女マンガ。むしろこういった作品が少女マンガの定型を形成したのかも。そう考えると、今でもこれと同じ形式で描かれている「ガラスの仮面」ってすごいな。
主人公は少女マンガらしく「もともとは平凡だったけど実は才能のある、泣き虫で気弱で初心な女の子」。それでも陳腐にならないのは、作者のバレエへの思い入れに由来するだろうディティールへの気配りや、演舞シーンの絵画的華麗さ、脇役まで血の通ったキャラクター描写によるのだろう。エーディクなんかたまらなく魅力的だ。
2010年02月12日
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山岸凉子
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基本的に、ここの本棚には各作品の一巻のみを登録してるんですが、あまりにも良かったので三巻も登録してまえと。
いやいやいや。しかし、上手いわ。本当に達者。
なんで、こうも見事に、揺れ動く心理を捕らえきれるのだろう。もう読んでる最中、感心して唸ることしきり。
重層的に響きあう登場人物の心理に、音楽的な快感さえも感じられるほど。和音的な。
私は、通常、楽しみにしすぎているシリーズだと、自分の中でハードルを上げすぎてしまい、初読では「あれ、それほどでもないな」という印象を受けがちなのだが、今回はそれを軽く越えられてしまった。
帯の「未来の古典を約束された」という宣伝文も、全く言い過ぎではないと思う。
2010年02月11日
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吉田秋生
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拳法自慢のてつこと、ひょうひょうとした兄の元に、変わり者の両親から届けられた「弟」は、不思議な力を持つ賢い犬・リリエンタールだった。
サスペンス要素を含んだコメディ。現在ジャンプ掲載マンガ中、最も「ジャンプらしくない」作品かも。
数年ぶりに買ったジャンプコミックスだったりします。掲載位置を見ていると、あまりアンケート結果が良くなさそうなので不安。満足いく形で書き切るまで、続いて欲しい。
シンプルな絵柄とかわいらしいキャラクターで一見子供向けに見えるが、構成が丁寧で、かつ、台詞の一つ一つまでよく言葉を練っているな、という印象を受ける。そういった意味で、毒気を抜いた小田扉、といった雰囲気。
基本的にはほのぼのした空気感だが、シリアスな側面も匂わされているので、そこがどのように展開していくのか楽しみ。
2010年02月09日
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葦原大介
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伝説的なシェルパ「K」が、雪山に挑む。
アルピニストの過酷さがよく分かる作品。ごろごろ人が死ぬ。死による。
山や自然の脅威が、ナレーションによって丁寧に語られており、自然への畏怖を感じさせる。
関係ないけど、同作者の「孤独のグルメ」の主人公っぽい顔の登場人物が出てきて笑ってしまう。
2010年01月31日
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谷口ジロー
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鴨居まさねが田辺聖子の短編小説を漫画化。
年齢わりと高めの男女の関係性を多く扱っている。
家族というものの重層性を感じさせる「達人大勝負」と、恋愛を引きずる感情に共感させられた「夢笛」が好き。
重い問題を扱っても、ユーモアをまじえて清潔に描ける鴨井さんと、関西人らしい柔らかさと芯の強さを持った田辺聖子さんの組み合わせは、相性ばっちり。編集さんの企画力の高さを感じる。
ただ、原作の時代性ゆえだろうが、女性観・男性観がやや古く、ところどころ目に付いてしまう。
2010年01月31日
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鴨居まさね
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西原理恵子の印税はいかにして使われたか。初期西原。いわゆる無頼派のほう。
現金が飛び交う飛び交う。一ギャグいくらだ、これ。楽しそうだけど、関わりたくないなー。
特に某広告代理店・博○堂の宮ちゃんは下衆の極み。あまりにイヤミで子ども泣くわ。
絵柄が確立されていく様子が伺えるのも面白い。
2010年01月01日
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西原理恵子
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一貫して天才を描き続ける鬼才・曽田正人さんによるバレエ一代記。
「昴」自体は中途半端なところで終わっているが、数年の間を経て、「moon」という続編が現在も連載中。連載再開して本当に良かった。
確かに10~11巻にかけての展開に不満はあるが、曽田さんの勢いのある筆致で描かれる、昴のダンスによってもたらされるカタルシスの瞬間最大風力の強さは他に類を見ないもの。
一巻に描かれる、主人公の昴がバレエを始める「きっかけ」からしてもう圧倒される!
また、昴が小憎たらしいんだ、これが。ズレてるっていうか、ナチュラルに自己本位っていうか。「あーもうこいつは何なんだ」っていう感じ。そのくせダンスになると圧倒させられるし。
何というか、天才に翻弄される快感みたいなものがありますな。
2009年12月29日
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曽田正人
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現役SEの「オタリーマン」による理系あるあるマンガ。
私は文系だが理屈っぽい性格なので、ところどころ納得出来る。というか、そもそも文系も学問においては「理系的な思考」(自然科学に則った論理的思考)が必要とされるもんだよ。追試認証性とか無いと話しにならんし。
理系人の習性を自虐的に扱っていると書かれているが、私の目には自虐には映らない。
むしろ、「こんな時にもこんな科学的な考え方しちゃうんっすよー変でしょー変でしょー」的な、捻くれた自意識・自己顕示欲を感じる。例えて言うならば、「俺昨日二時間しか寝てないっすよー」と同じレベル。妙にうれしそうな感じ。
あと、情報科を出たSEに過ぎない筆者が、生物学とかまで専門っぽく語るのは笑止。「理系」の一語で括れるほど、自然科学の学問体系は狭くない。
2009年12月24日
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よしたに
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駄目男の奮闘。ともかく暑苦しいほどに駄目男の奮闘。
作者が心酔している新井英樹『宮本より君へ』を思わせる。
主人公に感情移入できるか否かで楽しめるかどうかが決まる作品。自分は感情移入・・・できちゃうね。うん。非常に恥ずかしながらできてしまうね。痛々しいくらいに「あわわわわ」ってなってしまうね。
あと、このマンガでよく話題になる「ちはる」について。彼女は悪女やらビッチやらと言われるけれど、正直リアルな、ちょっと自我の弱い女性だと思う。いるよ、実際にこういう子。内木に抱かれちゃう子。表面的には誰に対しても人当たりが良いから、駄目男もこういうのに惚れやすいし困ったもんだよ。ほんと、生きるってのはなかなか困ったもんだよ。
2009年12月22日
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花沢健吾
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多くの風雲児たちが現れ、歴史の変革を行った幕末…それは天下分け目の関が原より始まった。
江戸時代に活躍する風雲児の姿を描く歴史大河ギャグマンガ。楽しみながら知的好奇心を満たせるとともに、「自分も頑張らなければ」と闘志が湧いてくる。
もちろんこの本も編纂された「歴史」である以上、作者というフィルターを通した創作物で「事実」ではないのだが、創作者としてのドラマへの欲と資料などから推測される史実への忠実さとのバランスが、高い水準で保たれているよう感じた。
人間の営みの総体として「歴史」というものを捉える一貫した姿勢から、人間ドラマでありながら壮大な大河ロマンというダイナミズムを描くことに成功している。うん、ほんとこの絵柄なのに笑えるし泣けるんだ(失礼)。
各巻末のギャグ注も面白い試み。ギャグマンガの弱点である、時代に対する依存性の高さの克服の一例だろう。めっちゃ手間かかりそうだけど。
2009年12月21日
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みなもと太郎
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