原題はИди и смотри(来たりて見よ)。イオアンの黙示録の言葉です。ドイツに侵攻されたソヴェート・ベラルーシの惨状を、パルチザン活動に身を投じた少年の目を通して描いています。
邦題の628というのは、ドイツ軍によって破壊されたベラルーシの集落の数なんだそうですね。この数字のみからでも、ドイツの東方侵略が如何程の惨禍を引き起こしたのかが分かります。パッケージの写真も凄い事になっていますが、内容は本当に言語を絶するくらい凄惨なので、生半可な気持ちで観るべき作品ではないです。
勿論映画ですからスクリーンに映ったもの全てが真実であると言ってしまうのは拙速に過ぎますが、それでもこの映画で描かれている事の大部分は、実際に人類の手によって別の人類に行われた事なんですよね。まだほんの6、70年前の話です。全篇を通してドイツ軍の残虐行為が描かれますが、単に当時のドイツを非難するという偏狭な視点に立っているのではなく、人類の持つ野蛮性・残虐性に対する警鐘というとても普遍的なメッセージを、ベラルーシに於けるドイツ軍という題材を使って発しているのだと思います。人類は時として他の人類に対してここまでの残虐性を発揮出来る事、それがこの作品の中で一番恐ろしい点だと思います。
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- 感想投稿日 : 2009年10月13日
- 読了日 : 2009年10月13日
- 本棚登録日 : 2009年10月13日
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