ブルの本棚»
仕掛けのある小説が好きだったので、ミステリー系が多くなると思います。 本は図書館で借りる派で、たとえ買ってもスペースの問題から売ってしまいますが、読んだ本は本棚に入れておきたい! という欲求をかなえようと思います。なお、自分に評価をつける基準がないと分かったので、☆印と感想を省くこともあります。その場合いは☆3に「読了」のみです。
レビュー by buruさん
読了。
酒亭おかめに飲みにくる同じ顔ぶれの四人の男。みなそれぞれ生活に苦労があり、ここで飲む一杯にそれぞれの思いがあった。その四人を押し込み強盗に誘う一人の男がいた。盗人で多くの金をたくみに奪い、同心の追跡をかわしてきた腕と頭を持っているという。「手伝ってくれれば百両づつそれぞれに。それで気分のいい、新しい生活が始められる。絶対に捕まることはありません」。言葉巧みに誘われた四人の男たち。そして、その男たちの妻、娘、婚約者達を巻き込み、歯車が回り始める。
押し込みにいたった原因はすべて女がらみだが、四人の男の性格の「よさ」と「だらしなさ」のバランス感が、ことの顛末が皮肉な形になるにもかかわらず一種のすがすがしさを与えている。そのなかでも構成の中心になる佐乃助は雰囲気よく物語を読ませるために配された人物で、彼の「仲間」や女に対する視線は、感情移入をしやすい繊細さを見せ、この本を読みやすく楽しめるものにしている。
娯楽時代小説っていいなぁと思わせる一作。ちなみに藤沢周平はこれがはじめて。もっと読みたくなりました。
レビュー登録日 : 2009年02月13日
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