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決壊 上巻についてのよめ子さんのレビュー


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感想ネタバレ含む。

決壊 上巻 449人が登録 ★3.59

著者: 平野啓一郎 
本 / 新潮社 / 382ページ / 2008年06月26日発売

レビュー by よめ子さん

平野啓一郎   読み終わった  読了日 : 2010年07月05日  5  登録日: 2010年02月12日

壮絶。徹底的なニヒリズム。
おもしろかったけど、決して快い読書ができる本ではない。
平野啓一郎さんは初めて読んだけど結構好きだ。
今作はドストエフスキーの影響を受けた作品らしく、確かに現代版『罪と罰』とも言えなくもないかも。「殺意」を誰か特定の個人から個人に向けられたものではなく、「純化された殺意」「世界の殺意」のように匿名で無名の純粋な意思(意思?)に昇華させているのが『罪と罰』のラスコーリニコフ的。
インテリの転落とか、ただラスコーリニコフを踏襲するだけじゃなくて、いじめ、現代人の没コミュニケーション、ネット社会、マスコミの執拗な報道、冤罪とか死刑制度とか現代的な問題提起に溢れた、まさに“現代版”を冠するにふさわしい本なのかも。
しかし怖いな…。「殺人」という目的のために「殺人」が行われるなんて恐ろしい。自分の利益(例えば誰かが憎いからとか、金銭的な事情とか)のために罪を犯すほうがまだ人間的だと思う(決して犯罪を擁護しているわけではなく)。でも今はきっとそんな「純化された殺意」による犯罪が多いんだろうな。

文庫化したら欲しい。 レビュー登録日 : 2010年07月05日


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