アカデミーに愛された理由がわかった。全てのバランスが素晴らしい。
実際に劇中劇のスタイルをとって、大衆好みのヒーローシリーズが
台頭する今の映画業界を辛辣に描く内幕劇にもなっている。
ひどい楽屋と古い劇場、資金不足、整形疑惑、ドラッグ、アル中、家族の不和、
起訴、レイプ、妊娠、威圧的な批評家、傲慢な俳優とその浪費、
貯蓄より長生きしている寿命、そして、自殺。
窮屈な空間の中、現実と幻覚が行き来する。
これらすべてが途切れなく、滑るように展開されていく。
撮影賞は当然、キャスティングも絶妙。
ザック・ガリフィアナキス、メリット・ウィヴァーなど脇を固める役者たち。
この顔ぶれでの、辛辣コメディに作品賞を送った映画人たちは
この映画に何を感じ、胸打たれたのだろう。
コメディだけど、それは笑いではなかったはずだ。
ドラムの音が緊張感を生む。
感情を揺さぶられる。
そして、見上げた笑顔に奇跡を感じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2017年11月28日
- 読了日 : 2017年11月20日
- 本棚登録日 : 2017年11月20日
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