ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2004年9月29日発売)
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「来た、見た、勝った」のアフリカ戦役から、その後の国家改造、そして暗殺直前まで。まさか暦の改定までカエサルの手がけたことだったとは。。。
戦いも含め、カエサルの行っていることは、短期~長期それぞれの射程で、解くべき課題を適切に解いていて、しかもそのスピード感が半端じゃない。昔からすべての問題について考えていたわけではないだろうから、ほぼ直感的に解いていったのだと推察。キケロとタメをはる教養人だったというから、そこで培われた直感なのだろう。凄すぎ。

P16
パクス(平和)とは、優劣なき国々相互の話し合いによるものよりも、絶対的に優勢な国による調停とか裁定とか、やむをえないとなれば力で押さえつけるとかで成り立つ可能性のほうが高いのが、人間世界の現実でもある。パクス・ロマーナ、パクス・ブリタニカという呼称からして、この「現実」を示している

P68
どうしたって敵が戦闘せざるを得ない状態にもっていくには、敵が放置を許されないどこかを攻撃する必要がある

P98
「市民たちよ、女房を隠せ。禿の女たらしのお出ましだ!」(凱旋式時の兵たちの賑やかし)

P157
ローマ人にとっての神とは、人間の生き方を律する存在ではなく、行き方を律するのは法律と考えていたからだが、法律によって生き方を自ら律する人間を、保護しその努力を助ける存在なのである

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年2月27日
読了日 : 2017年2月26日
本棚登録日 : 2017年2月26日

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