落日燃ゆ

著者 :
  • 新潮社 (2002年3月1日発売)
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感想 : 25
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平和主義者で戦争回避に努力した広田弘毅が、何故A級戦犯として処刑されたか。同期の吉田茂や松岡洋右との比較で外務省の中の対立、軍部の独走、東京裁判まで描かれている。「男子の本懐」浜口首相から戦後までの流れにもなり興味深かったけど・・僕にはどうしても、内情を知らされずに命令で死んでいった兵士、戦争だからと虫けらのように虐殺された中国の人、貧困に苦しんでいた庶民の観点が抜けている気がする。戦争責任・・確かに軍部ではあるが・・天皇の存在を無視出来ない。広田にしろ、東条にしろ、天皇を守ろうとして責任を肩代わりしたのなら、もうそれはそれでいいんじゃないだろうか。
広田弘毅を通しての戦前、戦後記録として読みましたが・・鵜呑みにする気はありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 書籍・時代
感想投稿日 : 2007年4月22日
読了日 : 2007年4月22日
本棚登録日 : 2007年4月22日

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