彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい―女性たちのそんな願いが転落を呼び込む、5つの短編集。
誰もが抱く願いから犯罪へ巻き込まれる女性たちを描いている。主人公の女性たち自らが罪を犯すわけではない。しかし自分と犯罪との関係を悟り、それが自分の欲望から生まれたものなのではないかと恐怖に駆られる様がスリリングだった。幸せを望むはずなのに、彼女たちの前には皮肉にも真っ黒な闇が待ち受けている。物語の主人公たちが異常だったわけではなく、女としての普通の幸せを願う、どこにでもいる女性である。誰もが闇と背中合わせの日常を送っていて、いつそちら側へ回ったとしてもおかしくはない、そういう恐れを示唆した物語なのかもしれない、と思った。
読書状況:読み終わった
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生き方
- 感想投稿日 : 2015年2月8日
- 読了日 : 2015年1月15日
- 本棚登録日 : 2015年2月8日
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