語りえぬものについての語り、身体の哲学(身体ありきの哲学)というのは前知識として持っていた。まさにそれを目の当たりにした。
語れぬものがあるということを認める。それはまだ語られていないだけかも。そういうものがあることをも前提として論を進めている。
本人の文体がかなり比喩的であり、あるいは文学的であると私には思えた。それは語りえぬものに対する努力であり、詩人の営みにも通ずる。楽しく読めた。哲学としての立場をとりながら、このような筆致を扱う人は彼以外にもいそうだけどそれを認めるか否かでも好みが分かれそう。
芸術や美学について哲学的論考を進めるとたいていこうなる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
思想・哲学・人文
- 感想投稿日 : 2015年3月8日
- 読了日 : 2015年3月8日
- 本棚登録日 : 2015年3月8日
みんなの感想をみる