テクテクノロジ-革命: 非電化とスロ-ビジネスが未来をひらく (ゆっくりノートブック 2)

  • 大月書店 (2008年9月1日発売)
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高度経済成長の時代に考えたユートピアは、すでに実現されているという。
がむしゃらに生きてきた、と、当時主力となった世代はいう。
望み通りになったのか?と聞くと、
笑顔で答える者は、私の周りにはいない。
何かがおかしいという。
何かが失われてしまった、という。
それでも私たちは懸命に生きた、という。
でも、何かがおかしい、とも、いう。

グローバリズムが席巻する中、
道具やノウハウを独占する者は、
不本意なパワープレイに追い込まれ、
ついには力尽きてしまう時代になった。

答えは一つではない。

当たり前のようで、ずっと直視してこなかった答え。

選択肢は常に複数用意する。
その中で最善の選択をするには、
100年と言わず、1000年先に想像を膨らませ、
胸を晴れるモノを選ぶ事かもしれない。
蝶の羽ばたきが、大陸を超えて竜巻を生み出すダイナミックな世界に私達は生きているのだ、
それくらい飛び越えた想像力位持っていないと、
この世界に振り回されっぱなしになる。

自然は自ずから美を目指す。
生命は自ずから美を目指す。
人間の知恵と行動もまた、美を求めずにはおけないのだ、
と、桂冠詩人はいう。

美しく生きることは、特別な事ではなく、
日々の逞しくも弛まぬ地道な生活の中にこそ、
積み上げられていくのだろう。

大きな力に追い込まれてはならない。
肩のチカラをフッと抜いて、
深く深呼吸。
眼差しをあげ、
目の前をよくよく見渡そう。
選択肢は、一つではない。
しかも、選択肢は、
自身で作り出す事だって可能だ。
諦めてはダメだ。
希望を見出せる選択肢でなければ、掴んではダメだ。

無ければ作ろう。
仲間をつくり、現状にへこたれない位の楽しみを見つけながら、
したたかに積み上げていこうじゃないか。

先達は、そうやってありとあらゆる苦難を退けて、私達まで命をつないできたのだ。

ここまできたからこそ、為せる事、
果てまでみたから、選べる事があるのだろう。

過去にしがみつくのは、無理がある。
全ては変化、変化の連続だからだ。
繰り返す事もあるだろう。
だからこそ、やり直せる事も、またあるはずだ。

人生が満足のいくものであるように。
願わくは、美しき人生であるように。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事
感想投稿日 : 2011年10月9日
読了日 : 2011年10月9日
本棚登録日 : 2011年10月2日

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