グランズウェル: ソーシャルテクノロジーによる企業戦略

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798117829

作品紹介・あらすじ

現代の消費者はブログ、SNS、YouTube、ポッドキャストといったソーシャルテクノロジーを使って、企業や製品を語り合い、格付けし、選択している。これは世界規模で起きている変化であり、その影響はすべての産業に及んでいる。この社会現象を著者らは「グランズウェル(大きなうねり)」と呼ぶ。グランズウェルは人々の生活だけでなく、ビジネスのあり方にも影響を及ぼしており、未知の事態を前に、多くの企業が頭を抱え、対応する方法を模索している。本書は著者らと数百人のクライアントとのやりとりと、数千時間に及ぶコラボレーションや分析から生まれた。目的はただひとつ-テクノロジーの変化の波に圧倒されることなく、ソーシャルテクノロジーが生みだす世界を航海できるよう支援することだ。顧客との良好な関係を築き、収益を上げ、コスト削減を実現する、ビジネスに活かす方法を豊富な事例に基づいて解説する。さらに、実用可能なROI(費用対効果)のモデルも提供している。

感想・レビュー・書評

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  • この本は07年に書かれて08年に出版されている。当時はSNSをはじめとするソーシャルテクノロジーを企業が活用することは少なかったのだろう。したがって、この本はソーシャルテクノロジーを従来型の企業がどのように活用するかを戦略を実例を交えながら書いている。この本の基本的スタンスは「グランズウェル(ソーシャルテクノロジー)のすすめ」だ。
    11年の現在から見ると、ソーシャルテクノロジーは活用する気があろうとなかろうと避けられない「課題」だ。SNSによってコミュニケーションの形態は変わったし、マーケティング・コミュニケーションも変わらざるを得ない。これはB2Cではすでに認識されていると思うし、B2Bでも認識されつつあるだろう。
    今や、従来型企業においても、ソーシャルテクノロジーはビジネスモデル自体に変化を及ぼしつつあると思う。この意味で言うと、グランズウェルは11年~12年に書きなおされる必要のあるテーマなのだと思う。

  • もう「知らない」では済まされない。
    ネット上の動き=グランズウェルをうまく使わなければ今後生き残れない。
    何かをしなくちゃいけないのに、どうすればよいか分からない人におすすめ。

  • 【学んだ事】

    序文

    ▼世界では何千人もの企業幹部たちが
     「グランズウェル」と我々が呼トレンドと格闘している。

    ▼グランズウェルは社会的動向である。

    ・人々はテクノロジーを使って、自分に必要なモノを企業ではなく、
     別の個人から調達するようになっている。

    ▼グランズウェルは一過性の現象ではない。

    ・グランズウェルを動かしているテクノロジーは未曽有のスピードで進化しているが、
     その根底には全ての人間が持っている「つながりたい」という、永遠の欲求がある。

    第一部 グランズウェルを理解する

    第一章 なぜ今、グランズウェルに注目すべきなのか

    ▼インターネットで最も大きな力を持っているのは「人々」である。

    ・その力は、特に集団になった時最大化される。

    ・「インターネットから何かを削除するなんてことはできない。」

    ▼ストライサンド効果

    ・インターネットからコンテンツを削除しようとして、逆に広めてしまう現象

    ▼グランズウェルとは

    ・社会的動向であり、人々がテクノロジーを使って、自分が必要としているものを
     企業などの伝統的組織ではなく、お互いから調達するようになっている事

    ▼グランズウェルを生んだ3つの力の衝突
    ・人間
    ⇒ソーシャルテクノロジーの登場と普及によって大きく変わった。

    ・テクノロジー
    ⇒コミュニケーションの形を大きく変えた。  「ウェブ2.0」

    ・経済学
    ⇒「トラフィック=金」

    ▼ファストレーンは、GMのコミュニケーションを一変させた
    ・・業界紙や高額なテレビCMだけが、顧客、ディーラー、従業員、投資家にメッセージを伝える方法ではない。      GMは、彼らに直接語りかけるチャネルを手に入れたのだ。
    第二章 柔術とグランズウェルのテクノロジー

    ▼グランズウェルのテクノロジー

    ①創造のためのテクノロジー⇒ブログ、ユーザー生成コンテンツ、ポッドキャスト

    ②つながえうためのテクノロジー⇒ソーシャルネットワークと仮想世界

    ③コラボレーションのためのテクノロジー⇒ウィキ、オープンソース

    ④リアクションのためのテクノロジー⇒フォーラム、格付け、レビュー

    ⑤コンテンツ整理のためのテクノロジー⇒タグ

    ⑥コンテンツを整理するためのテクノロジー⇒RSSとウィジェット

    ▼新しいテクノロジーを評価する方法

    ・グランズウェル・テクノロジー・テスト

    ①そのテクノロジーは新しい方法で人と人をつないでいるか?

    ②メンバー登録は簡単か?

    ③組織ではなく、人々に力を与えるものとなっているか?

    ④コミュニティは、活動を維持できるだけのコンテンツを生み出しているか?

    ⑤プラットフォームはオープンで、パートナーシップを促進するものとなっているか?

    第三章 ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィール

    ▼AFOLコミュニティの事例

    ・三社の相互作用(エリックが作ったものにジョーが反応し、それが無数のリンダたちに影響を及ぼす。)
     が、レ後のコミュニティに活気をもたらしている。コミュニティが成功する鍵は、多様なメンバーの交流にある。

    ▼グランズウェルの参加度を分析する

    ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィール
    ・創造者(Creators)

    ・批評者(Critics)

    ・収集者(Collectors)

    ・加入者(Joiners)

    ・観察者(Spectators)

    ・不参加者(Inactives)

    ▼グランズウェルに参加する理由

    ①友人づきあい

    ②友人作り

    ③友人からの圧力

    ④先行投資

    ⑤利他心

    ⑥好奇心

    ⑦創造的活動

    ⑧他者からの承認

    ⑨同好者との交流

    第二部 グランズウェルを活用する

    第四章 グランズウェル戦略を立てる

    ▼「グランズウェル接近・回避症候群」

    ・戦略に逆さまに取り組んでしまう事もある。テクノロジーを先に考えてしまっては、
     勢いよく回っているメリーゴーランドに飛び乗るようなモノである。

    ▼グランズウェル戦略の4段階のプロセス「POST」

    ・人間(People):顧客は、どんなテクノロジーを使う傾向があるのか?

    ・目的(Objectives):ゴールは何か?

    ・戦略(Strategy):自社と顧客の関係をどう変えたいのか?

    ・テクノロジー(Technology):どんなアプリケーションを構築すべきか?

    ▼グランズウェル戦略の5つの目的

    ・目的を曖昧していては成功はしない。戦略の成否は目的地、つまりグランズウェルに参加する理由にかかっている。

    ①傾聴戦略:顧客理解を深める⇒(リサーチ)

    ②会話戦略:自社のメッセージを広める⇒(マーケティング)

    ③活性化戦略:熱心な顧客を見つけ、彼らの影響力を最大化する⇒(セールス)

    ④支援戦略:顧客が助け合えるようにする⇒(支援)

    ⑤統合戦略:顧客をビジネスプロセスに統合する⇒(開発)

    ■戦略を熟考する

    ・どの目的を選ぶにせよ、これらのアドバイスが役に立つ。

    ①小さく始める(ただし拡大の余地は見込んでおく。)

    ②グランズウェル戦略がもたらす戦略を考え抜く

    ③高い地位にいる人物を責任者に据える

    ④テクノロジーの選択とパートナーの選択は慎重に

    ▼失敗の原因

    ・ソーシャル戦略の立案の実行が難しいのは、従うべき前例やロールモデルがない事である。
    失敗の原因は様々だが、たいていはPOSTプロセスの四つの段階と関連している。

    ・問題は必ず起きる。グランズウェルはコントロールできない。
     問題が起きた時はPOSTプロセスに立ち返る。


    第五章 グランズウェルに耳を傾ける

    ▼ブランドは顧客が決める

    ・ブランドの価値は企業ではなく、市場に属する。企業はブランドの価値を創出する道具に過ぎない。

    ▼傾聴を通して顧客インサイトを得る

    ・グランズウェルの消費者は毎日、時には数時間ごとに、自分の意見の片鱗を
     ネット上に残していく。

    ▼2つの傾聴戦略

    ・プライベートコミュニティを立ち上げる

    ・ブランドモニタリングを始める

    ※グランズウェルに耳を傾けるだけでは何にもならない。得た知識を行動に繋げて初めて
     利益を生み出す。

    ▼オンライン・プロモーター・スコア(OPS) モティーブクエスト

    ・ネット上の会話が、「推薦」につながる可能性を示している。

    ▼傾聴戦略を実施する理由

    ・ビジネスに不可欠でありながら、無視されてきた能力である。
    ⇒簡便な方法がなかった事が原因

    ①ブランドが象徴しているものを知る

    ②バズの変化を捉える

    ③コストを抑えながら、リサーチの精度を高める

    ④インフルエンサーを特定する

    ⑤広報上の危機に対応する

    ⑥新しい製品やマーケティングのアイディアを得る

    ▼傾聴計画を立てる

    ・顧客のソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールを調べる

    ・小さく始めて、大きく考える

    ・経験豊富な専任チームをつけてもらう

    ・集めた情報を解釈し、他のデータと統合する仕事は上級社員に担当させる

    第六章 グランズウェルと話をする

    ▼マーケティング・ファネル

    ・消費者は広告などの認知度向上施策によって、ファネルの大きく開いている口に集められる。
     ファネルに入った消費者は様々な段階(検討、選好、行動、愛用)を経て、
     反対側の口から顧客になって出てくる。

    ▼グランズウェルと話をする方法

    ①バイラルビデオを投稿する

    ②SNSやユーザー生成コンテンツサイトに参加する

    ③ブログスフィアに参加する

    ④コミュニティを創る

    ▼会話戦略をブログで始める際の「10のアドバイス」

    ・まずは耳を傾ける

    ・ブログのゴールを設定する

    ・ROIを見積もる

    ・計画を立てる

    ・練習する

    ・編集プロセスを構築する

    ・ブログをデザインし、企業ウェブサイトとの関係をはっきりさせる

    ・マーケティング計画を立て、ブログの認知度を高める

    ・ブログを書くことは、単に文章を書くことではないと肝に銘じる

    ・正直であれ

    ▼なぜグランズウェルと話をするのか

    ・バイラルビデオ⇒認知度の問題に突破口を開く。

    ・SNS⇒クチコミの問題を解決する。

    ・ブログ⇒企業の複雑さの問題

    ・コミュニティ⇒顧客の中には企業のメッセージを頑として拒否し、あくまでも顧客同士
            で助け合おうとする人へのリーチ

    ※会話は進化し続ける。

    第七章 グランズウェルを活気づける

    ▼現代のマーケターと広告代理店が測定しなければならないのはリーチやフリークエンシーではない。
     そのはるか先にある「エンゲージメント」だ。つまり、見込み客がファネルをどこまで進んだかである。

    ・活性化戦略の3つの手法

    ①格付けやレビューを導入し、顧客の情熱を活用する

    ②コミュニティを作り、顧客を活気づける

    ③ファンが作ったネットコミュニティに参加し、メンバーを活気づける

    ▼コミュニティ運営の教訓

    ・B2B企業のほうがコミュニティを構築しやすい

    ・コミュニティが暴走する可能性と対処方法を事前に考えておく

    ・目的の達成状況を測定する

    ▼活性化戦略のステップ

    ・本当に、グランズウェルを活気づけたいのかを考える

    ・顧客のソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールを調べる

    ・「顧客の問題は何か」と自問する

    ・顧客の問題やソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールにあった戦略を選ぶ

    ・長期的に取り組む覚悟がないなら、手を出さない

    ▼「寛容さの文化」(カテリーナ・フェイク Flickr創業者)

     「心理所得の追求」

    ・利他的な行動を取ることで満足感を得る人もいれば、他者から承認されたり、コミュニティに所属したりすることで安
     心感を得る人もいる。

    第八章 グランズウェルの助け合いを支援する

    ▼MIKE2.0(ベリングポイント) openmethodology.com
     
    ・社内ウィキを公開することで、自社を軸に新しい知的財産が積み上げられるようにした。
     アクセス数は100万を優に超えている。

    ▼支援戦略のポイント

    ・小さく始める

    ・活発な顧客にリーチする

    ・トラフィックを誘導する

    ・評判システムを組み込む

    ・顧客に従う

    第九章 グランズウェルを統合する

    ▼クレディ・ミュチュエル(もしあなたが銀行家だったら?)が成功した要因

    ・企業が顧客と同じ側に立っていた

    ・イノベーションの泉をうまく活用した

    ・顧客の声に耳を傾けていた

    ・優れたサービスを開発する責任を忘れなかった

    第三部 グランズウェルで変革を促す

    第一〇章 グランズウェルが企業を変える

    ▼組織がグランズウェル的思考を取りれるためのポイント

    ・小さくても、効果的なステップを重ねる

    ・ビジョンとプランを持つ

    ・リーダーを巻き込む

    ▼部門横断的な「ブログ解決チーム」を作った(デル ライオネル・メンチャカ 2006年3月)

    ・チームのメンバーは、カスタマーサービスとテクニカルサポートの両方のトレーニングを受けた。
     デル製品の問題に言及しているブログを見つけると、メンバーはブロガーに連絡を取り、問題が解決されるまで面  倒をみた。
     
    ・ライオネルの任務は、デルが耳を傾け、行動していること、さらに重要なのは、ライオネルやデルが過ちを認めてい ることを、社外の人々にはっきりと示すことだった。

    第一一章 グランズウェルを社内で活用する

    ▼自分や組織を確実に変化させるための鉄則

    ・小さく始める

    ・幹部を教育する

    ・適任者を戦略担当者に選ぶ

    ・グランズウェルを理解している広告代理店やテクノロジーパートナーと組む
    ・長期的な視野から、次のステップを考える

    第一二章 グランズウェルの未来

    ▼グランズウェルの7つの教訓

    ・グランズウェルでは、すべてが「人対人」であることを忘れない

    ・良い聞き手になる

    ・辛抱強くあれ

    ・好機を待つ

    ・柔軟であれ
    ・協力する

    ・検挙であれ

    【実践できる事】

    ①自身も積極的にグランズウェルに巻き込まれていく。
     そこでの企業や人のコミュニケーションを観察していく。

    ②自分でも独自のコミュニティを作成していく。
     そこで、学びを実践していく。

    ③新しいテクノロジーを積極的に活用してみて、
     それが人の繋がりにどのような変化をもたらすか文章化してブログにあげる。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 期待以上にいい。
    テクノロジーそのものや、”ユーザー”の変化について解説する本は多いが、そうではなくて、そのことによりヨノナカに起こっている大きなうねり〜グランズウェル〜に焦点を合わせた本。
    このテにありがちな、焦燥感を煽るような所やHOWTO的軽さはなく、”どういうことなのか””なぜなのか””どうすればいいのか”が、明快に述べられわかりやすい。
    「ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィール」は実に秀逸。

    P40  タギングは万人向きの活動ではない。(韓国以外の国では)タグの利用率はもっと低い。(中略)手元の情報を整理し、検索しやすくするためだけにタグを使うなら、タグが他者との関係を生み出すことはない。しかしタグには個性が現れる。(中略)つまり面識のない相手でも、その人の「見立て」をWEB上で追うことができるのだ。

    P55 コミュニティが成功する鍵は多様なメンバーの交流にある。グランズウェルを深く理解するためには、グランズウェルのメンバーをいくつかのグループに分類し、それぞれを衝き動かしているものを分析する必要がある。人間を十把一絡げに扱う戦略は必ず失敗する。

    P58 ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィール
    創造者 批評者 収集者 加入者 観察者 不参加者

    P67 人々をグランズウェルに駆り立てている基本的な感情、つまり「つながりたい」「何かを作りたい」「連絡をたやさずにいたい」「助け合いたい」という欲求は世界共通であり、各グループの特徴や態度はどの国にもあてはまる。

    P84 グランズウェルにおける最大の課題は、テクノロジーを使いこなすことでもなければ、顧客の機嫌をとることでもない。それは事業目標を達成することであり、成功を測定し、それがグランズウェル戦略の成果だと証明することである。

    P94 BtoB企業には「ビジネスパーソンも人間である」とアドバイスしたい。これは単純だが重要な事実だ。

    P158 ブロゴスフィアへの参入を真剣に考えているなら、まずは「人間」と「目的」から始めよう。

    P220 心理所得には様々な形がある。利他的な行動をとることで満足感を得る人もれば、他者から承認されたり、コミュニティに所属したりすることで安心感を得る人もいる。

    P305 「マネジメント・バイ・ウォーキングアラウンド」のバーチャル版

    P316 組織はものごとを工程化し、管理し、ガイドラインで縛ろうとする。組織のそうした本能を抑えることもマネジャーの仕事だ。その代わり、基本原則は定めよう。

    P346 「ユーザーにはもううんざりだ」
    確かに現代人は皆テクノロジーを使っているが、「ユーザー」という言葉は人間よりテクノロジーに焦点をあわせることで、現在進行中のトレンド(人々がつながり、交流し始めている)を見えにくくしている。1日でいいから、この単語を使うのをやめてみよう。そうすれば世界は驚くほど違って見えるはずだ。

  • Yotsuya

  • 途中でつまらなくなって読むのを断念…

  • インターネットから何かを削除するなんてできない。それはプールから小便を取り除こうとするようなものだ。

    ディグ騒動(高解像度DVDの暗号解除キーの漏洩)が象徴しているもの。
    ・人々はネットの主役が自分達であることを見せつけた。
    ・オンラインの世界がオフラインの世界を圧倒した。
    ・関係者は愚かでも無知でもなかった。

    インターネットからコンテンツを削除しようとして、逆に広めてしまうことを「ストライサンド効果」と呼ぶ。※ストライサンドさんが自分の自宅が写っている写真を削除してくれと要請したことにちなむ。

    グランズウェル(大きなうねり)の5つの目的
    1.耳を傾ける:リサーチのため、あるいは顧客理解を深めるためにグランズウェルを使う。顧客インサイトマーケティングをするなら、この目的が適している。

    2、話をする:自社メッセージを広げるためにグランズウェルを利用する。すでにバナー広告、検索広告、電子メールなどのデジタルマーケティングを活用しているが、もっと双方向的な手段を活用したい場合は、この目的を選ぼう。

    3.活気づける:熱心な顧客を見つけ、彼らの影響力を最大化するためにグランズウェルを使う。熱心なファンのいるブランドに適している。
    口コミの特徴
    ①信頼性が高い:顧客の証言は、メディアの情報よりもはるかに信頼される。
    ②自己強化的である:一人から聞けば興味をそそられるだけの話でも、5~10人から聞くと、相手が見知らぬ人でも本当の話だと思えてくる。
    ③自己増殖する:優れた製品であれば、口コミは更なる口コミを招く。

    4.支援する:グランズウェル的なツールを用意し、顧客が助け合えるようにする。サポートコストが高く、かつ顧客が互いに親近感を抱いているような企業に効果的。

    5.統合する:顧客をビジネスプロセスに統合する。この目的は難易度が高いので、他の4つの目的のいずれかを達成してから選択することが望ましい。

    ソーシャル戦略の立案は、従うべき前例が少ないので難しい。が、失敗の原因は、
    P:人間の行動を予測しそこなった
    O:目的が曖昧だった
    S:戦略が考え抜かれていなかった
    T:テクノロジーの実装がお粗末だった
    ことに起因する。

    適切なルールを定めるには、ウィキを「自社のもの」ではなく、「我々のもの」、つまり自社と顧客との共有資産と考える必要がある。そうすれば人々の中の創造性、利他心、承認願望を活用できるようになる。

    グランズウェル的思考
    1.すべてが「人対人」であることを忘れない
    他者に共感を持てない限り、他者の秘密を解き明かすことはできない。

    2.良い聞き手になる
    自分の仕事は顧客に語りかけることではない。顧客のみならず、同僚や他者の関係者の声にも耳を傾ける必要がある。良く聞くものが賢いものである。

    3.辛抱強くあれ
    テクノロジーの変化が速いので、つい遅れをとるのではないかと考えてしまう。しかし、こうしたアプリケーションは社内の様々な部署に影響を及ぼすので、なかなか全員の賛同を得にくい。それでもゆっくりと、確かに1歩を踏み出さなければならない。

    4.好機を待つ
    小さく始める。アプリを開発するときは、顧客との関係を少しずつ深められるような場所を探そう。そして拡大のチャンスを待つ。障害が取り除かれたとき、名案が思い付いた時にはすぐ実行する。

    5.柔軟であれ
    グランズウェルでは予想外のできごとが起きる。例えば、ウォルマートが始めたFBが非難の嵐と化したり、デルのノートPCは火を噴いた。こんなときでも、そこから学び続けることである。

    6.協力する
    社内には自分と同じように考えている人がいるはず。協力し、支え合うこと。

    7.謙虚であれ
    つながり合った人々は大きな力を持つようになる。一方、企業はそこまで強力ではない。グランズウェルをはあくまで人のモノで、あなたはただその一部になろうとしているに過ぎない。そのなかでは、謙虚であるものこそが、一番の力を得る。

  • グランズウェルでは関係がすべてであり、人と人がつながり、コミュニティーを作る
    グランズウェル戦略を立てる際には、顧客はどんなテクノロジーを使う傾向があるのか?自分の目的は何かを考え、POST人間、目的、戦略、テクノロジー
    グランズウェル戦略の目的として、耳を傾ける、話をする、活気づける、支援する、統合する

  • ソーシャルテクノロジーによる企業戦略の本。
    グランズウエルとは、大きなうねりと呼んでいるトレンド。
    現代の人々は、様々なオンラインツールを使って他者とつながり主体的にこうどうしている。自分が必要な情報、サポート、アイデア製品、交渉力などをお互いから調達している。ウイキペディア、Podcast、YouTubeなどもその一部。
    グランズウエルとは、社会社会行動で、人々がテクノロジーを使って自分が必要な情報を企業などの伝統的な組織からではなく、お互いから調達する事
    ・組織にとっての脅威とは、企業に敵意や好意を抱いているひとが
    ウィジェットを作り配布する可能性。
    ・人はなぜ、グランズウエルに参加するのか
    すべての人の心を捉えてやまないものは、つながりたいという欲求。
    ・企業はこのグランズウエルをうまく利用して利益向上に努める時代に入った。
    ・目的は、ゴールは何か。マーケティング目的でグランズウエルと話しをしたいのか。チームワーク強化か、社内にテクノロジーを導入したいのか。
    ・戦略 顧客にメッセージを広げてもらいたいのか。
    顧客との距離を縮めたいのか。
    1)耳を傾ける。顧客インサイトをマーケティングや開発に利用する場合。
    2)会話をする。自社のメッセージを広める。より双方的な手段を利用したい場合。
    3)新しい製品やマーケティングのアイデアを得る。
    4)インフルエンサーを特定する。影響力を持つブロガーとか。
    成功の為には。
    ・小さくはじめる
    ・活発な顧客にリーチする。
    ・トラフィックを誘導する。

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