受験生・孝史は宿泊中のホテルで火事にあい、あやうく命を落としそうになる。
それを間一髪のところで助けてくれた男・平田が孝史を連れて行った先は・・・。
昭和11年2月26日。今まさに、2・26事件が始まろうとしていた東京・蒲生邸だった。
そこで孝史は、当主・蒲生憲之の不可解な「自決」に立ち会うことになり、思いがけず、真相を突き止めていくことになる。
蒲生憲之の死は本当に「自決」なのか。
時間旅行者・平田はなぜ敢えてこの時代を選んだのか。
全く歴史の知識がない孝史が見た、昭和11年の東京とは。
未来人として何もできない孝史や平田のジレンマは、タイムトラベルものにありがちな、未来を知っていることから生じる驕り、みたいなものは全くない。
また、未来を知った上で、蒲生邸の人々が選択した生き方は、「今を一生懸命生きる」ことの大事さと、「その時代の人間」としての責任を感じさせる。
自分は、「今」をひたすらに生きているかな?
平成に生きる人間としての責任を果たせているかな?
なんてコトを考えさせられる作品。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説_SF
- 感想投稿日 : 2015年1月2日
- 読了日 : 2009年月
- 本棚登録日 : 2015年1月2日
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