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月夜ノ物語(Chie)


矢印

月夜ノ物語»

私の頭の大部分を占めるのは相変わらずKinKiの2人。 そんな私の第2の趣味(?)夜な夜な読み続ける本達(コミック・CD含む)の記録。古本屋巡り大好き。

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怪しい人びと (光文社文庫)

東野 圭吾

/ 光文社 / 1998年06月 発売



◆寝ていた女・・・友達とその恋人のために自分の部屋をまるでホテルのように貸し出していた俺。しかしある朝部屋に戻ってみると、知らない女が残されていた。
◆もう一度コールしてくれ・・・老人から金を奪い、逃走した俺。逃げ込んだ家には男がいた。そして俺は、この男のことを実はよく知っている。彼は覚えているだろうか?二年前の夏のあの試合のことを。
◆死んだら働けない・・・ある朝出勤すると、休憩室で係長が亡くなっていた。仕事にものすごく真面目だった係長の頭には、誰かに殴られたような跡があったという。
◆甘いはずなのに・・・新婚旅行でハワイに来た私と尚美。しかし私はこの旅行で、はっきりさせなければならないことがある。前妻との子供である娘を殺したのは尚美、おまえなのか?
◆灯台にて・・・ライバルと、逆進路で一人旅をすることになった。各地での武勇伝を自慢してくるに違いない佑介は、俺のこの話を聞けばきっと、あの灯台にも行くに違いない。
◆結婚報告・・・やっと結婚できましたと手紙を送ってきた典子。しかし同封されていた写真に知っている典子の姿はなく、知らない女性と男性の2ショット写真だった。典子、もしかして整形したの?
◆コスタリカの雨は冷たい・・・海外勤務を終える前の思い出作りにブラリオ・ガリオ国立公園にやってきた僕と妻のユキコ。しかし地元の人間も安全だと太鼓判を押すこの場所で、僕とユキコは猿のマスクをかぶった二人組に襲われていた。

以上7編の短編集。すべて「小説宝石」及び「別冊小説宝石」に掲載されていた作品らしい。

どれも軽い感じで読めるが、やはり昔の作品だからか?彼の作品にしては印象に残るものが少ない。

◆甘いはずなのに・・・著者の書き方にすっかり騙されていた。真相を知ってみると、尚美がどれだけ頭の回転が早いのかと思う(^^;
◆灯台にて・・・真相をはっきり記さず、”・・・ということは・・・”的な感じで終わるのが良かった。題材が題材だけにあまり想像したくはないが、どうだったんだろうねぇ。


2012年05月31日 | コメント(0) | 文芸本(日本)短編 | 読み終わった (2012年05月27日) |



 祥子は教授命令により、秋から病原体研究所に研究員として配属されていたが、ある日突然、その研究所の阿山教授が高熱と痙攣を起こして倒れて亡くなる。何らかの感染症が疑われたが、同じ研究所で働く藤島冴悧(さえり)には思い当たる節があった。教授は2日前に自らに新型インフルエンザのワクチンを注射していた。この発作はそのせいなのでは?

 祥子&乱風シリーズ第4弾。一言でいえば、副作用が出た患者の存在を無視してのワクチン接種を推し進めた行政・その時の関係者に対する復讐の話。”新型”ということで必要以上に煽られたり、接種の優先順位を決められたりで、ワクチンは打った方がいいと私達は当然のように思わされているが、その病が絶対的な致死の病でもない限り、副作用のリスクを抱えてまで射つ必要があるのか?物語の中で祥子や冴悧が何度も疑問視しているが、確かにそこまで考えて予防接種を受けてはいないなぁと気づかされてた。自分の場合は職業柄、強制的に毎年接種させられているが、安全で当然だと思っていて副作用のことなど考えたこともなかった。このことが問題なんだろうなぁ。問題提議としてはいいと思うが、今回、物語としては盛り上がりも特になく、あまりおもしろくなかった。別に祥子と乱風じゃなくてもよかったと思う。

進行具合が気になっていたこのカップルだが、相変わらず別々に住んでいるし、名前も変わっていないが、第三者にはお互いのことを完全に「夫」「妻」として紹介している。結局、結婚したの?してないの?


2012年05月27日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年05月24日) |

贖罪の奏鳴曲

中山 七里

/ 講談社 / 2011年12月22日 発売



 時には真っ当でない方法にも手を出し、依頼人からは金を根こそぎふんだくる・・・その代わりどんな難しい裁判でも勝ちをとるということで有名な敏腕弁護士・御子柴礼司。彼には実は誰にも知られてはならない秘密があった。26年前に日本中を震撼させた<死体配達人>・・・それが、14歳の御子柴だったのだ。名前を変え、そして弁護士としても成功したことで今や誰にも知られていないはずの犯罪歴。しかし、御子柴の周りで起きた殺人事件により、その事実は次第に白日のもとにさらされることになり、歯車は狂い始める。

 どんでん返しはある程度予想できたものの、それ以上のものも用意されていて、とにかく最後の畳みかけがすごくて一気に読んだ。御子柴は弁護士としてある事件を裁判で追う側でありながら、同時に、過去の罪や現在の罪について刑事たちに追われる側でもあり、内容がどこをとっても濃い。過去の少年鑑別所での話も深く掘り下げられていてよかったと思う。裁判には勝ったものの、やはり罪は罰として自分の身にかえってきてしまった御子柴。彼らしいラスト、そして犯罪者のラストとしてもこれで申し分ないのだが・・・人材だけを考えればもったいないとどうしても思ってしまう。彼はもっと違う生き方はできなかったのか?

ちなみに御子柴を追う刑事は「連続殺人鬼カエル男」でも出てきた渡瀬&小手川ペア。渡瀬のキャラがとても魅力的。


2012年05月22日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年05月18日) |

七十歳死亡法案、可決

垣谷 美雨

/ 幻冬舎 / 2012年01月27日 発売



 日本の財政は破たん寸前。しかし次々に増えていく高齢者がいなくなれば日本が抱えている問題の大部分は解決する・・・ということで2年後に施行が決定した”七十歳死亡法”。70歳になれば全員安楽死させられることが決定。介護が必要な高齢者を長年抱えてきた宝田一家にも変化が訪れようとしていた。

 現実には絶対にありえない法案が可決したという架空設定の物語。もちろん多少の反発はあるものの、国民の大部分がこの法案を受け入れているという状況。最初は登場人物たちの身も蓋もないような発言や考え方に唖然としていたのだが、実際に自分の寿命がはっきりここまでとわかるなら、この登場人物たちの考え方はなるほど一般的で、ごくごく普通のことなのかもしれない。介護が必要な老人、それを世話する嫁、自分の親にも関わらず介護には無関心な夫、引きこもりの息子、そして家を出て一人暮らしをしている娘・・・そんな構成の家族にスポットを当てて描かれているのだが、架空設定上にも関わらず、これがまたびっくりする程リアル(^^;

  「ヘルパーに来てもらえばよかったんだよ。
   その間だけでも奥さんは解放されるじゃないか」
  「それはだめだ。俺のお袋は、他人が家の中に入ることをいやがるんだ」
  「いやがるお袋さんを説得できるのは息子のおまえしかいないだろ」
  「俺が?お袋を?そういうのは苦手なんだ」
  「処置なし」

この部分だけコピーして父親に貼りつけてやろうかと思った(爆)。超高齢者をかかえている我が家の状況にも結構似ている部分が多かったので、他人事とは思えず。こういうのに縁が無い人は「ここまでひどいもの?ここまで露骨なもの?」と思うかもしれないが、こういう現実問題は実際にあるし、決して綺麗ごとばかりではない。第五章まではずっとこんな感じだったのだが、第六章(最終章)は展開が急にポジティブに。物語としてはこのままではいけないと思ったのかもしれないが、あまりにも全てがうまくいきすぎて、皆が善人すぎて急に現実味がなくなったので、私的にはマイナス。ここまできたら貫き通してほしかった気もするけど、でもタイトルからして過激なだけに、最後までこの調子だったらあらゆるところから反発がきてもおかしくないし、救いも無さすぎるからなぁ・・・これでよかったのかも?


2012年05月19日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年05月15日) |

憑流(hyoryu) (文春文庫)

明野 照葉

/ 文藝春秋 / 2010年02月10日 発売



 美男美女、そして名家同志ということで朝比奈幸宏と結城苑香の結婚は皆に祝福され、豪華な披露宴も執り行われた。朝比奈家に嫁ぐことになった苑香は才色兼備なだけではなく、彼女と付き合うようになってから幸宏は全てにおいてツキに恵まれ、この上ない幸せを味わっていた。しかしこの文句のつけようのない嫁に対して何か不穏なものを感じ取っていた者たちもいた。幸宏の祖母、母、そして妹の真希である。そして彼女達の予感は的中。ツキと同時に朝比奈家にとっては不幸なことが多発するようになる。

 本人が意図したわけではなく、知らないうちに結果的に一族の血を繋げて他を排除するということをやってのけているのがこの話の怖いところ。生理的に嫌悪感だとか、肌が合わないという感覚は誰しもが感じたことがあると思うけど、こういう風に血が関係していることもあったりするのだろうか。後味がいい話では決してないが、蛇や風習をもちだしてのサイコホラーとしてはよくできた話だと思う。


2012年05月13日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年05月13日) |



昔に見た記憶はあるけど、ビデオにもなっていなくて、今見ようと思うと本編含めたスペシャルBOX?みたいなのを何万円も出して買うしかないらしいと諦めていたら、見たかった2編だけ集めたDVDが破格の1000円!いい仕事するなぁ。

◆たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士孫悟空の父~・・・時代はまだ、孫悟空がこの世に生をうけたばかりの頃。フリーザの元では多くのサイヤ人達が働いており、孫悟空の父・バーダックもその内の一人であった。いつものように仲間と他星の地上げの最中、バーダックはカナッサ人にふいの一撃をくらわされる。不思議な能力を持つカナッサ人はその一撃に、未来を予知する能力をこめたという。それは、これからのサイヤ人の絶望的な行く末をバーダックに見せるというのだ。それ以降、バーダックは仲間が殺されたり、故郷である惑星ベジータが爆発するような不吉な夢を次々と見るようになり、フリーザの裏切りを疑うようになる。

 ターレス同様、見かけは完全に悟空なのに超不良(という言葉も変だけど・笑)なバーダック。声はもちろん野沢さんだが、やっぱり演じ分けがすごい。悟空より少し低音で粗暴な口調がかっこいい(^^)。生まれたばかりの次男(つまり悟空のこと)にも興味がなく「クズが」と吐き捨て、仲間にも悪態をついて一匹狼を気取るものの、やはり仲間を大切に思い、一人になっても諦めずに強い者に立ち向かおうとするところは悟空そっくり。どうして悟空が地球に行くことになったのか、どうして惑星ベジータがなくなったのか、フリーザ一味とサイヤ人の関係はどういういきさつがあったのか等、本編にもしっかり繋がっていて見逃せない一作。子供の頃のベジータが最後にちらりと出てきたり(なまいきそうなのが可愛い!)、孫悟飯(おじいちゃんの方)が赤ん坊の悟空を拾うところまでしっかり描かれているのも嬉しい。

◆絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス・・・孫悟空が心臓病で息を引き取ってから2年半後、突然都に現れた人造人間17号・18号により、世界は絶望へと叩き落された。戦いを挑んだベジータやピッコロ、ヤムチャらZ戦士も次々と殺され、今や戦士は孫悟飯とまだ幼いトランクスのみであった。

 ドラゴンボールのアナザーストーリー。「孫くんさえ生きていれば絶対にこんなことにはならなかった」とブルマが考え、過去(つまりはドラゴンボール本編のまだ悟空が生きている時代)に心臓病の特効薬を持ってトランクスが悟空に会いに行くまでのいきさつ。この作品はドラゴンボールワールドの中でもかなりの異色作だと思う。ピッコロが死んだことでドラゴンボールは一切使えず、だらだらと破壊と殺戮を繰り返す17号・18号に成す術もない未来の世界。悟飯が完膚なきまでにやられてしまうので見てて辛かった・・・。悟飯の死をきっかけに超サイヤ人に目覚めるトランクス。この時代のこの子は苦労してるよね。本編ではあっさりと超化してベジータにびっくりされるんだけど(笑)。悟空はブルマの回想シーンのみの登場だけど、いかにこの世界において悟空が太陽で希望であるかが伺える。夫に対しては息子に「あんまり期待しない方がいいわよ」って言うくらいなのに!(爆)


2012年05月13日 | コメント(0) | VHS/DVD | 読み終わった (2012年05月13日) |

祈望

藤崎 慎吾

/ 講談社 / 2010年06月11日 発売



 母親と姉を突然殺された私。加害者は少年だった。父と弟との3人の暮らしになり、生活は一変した。大人になり、父が病に臥した今、当時の父のノートをたよりに今一度あの事件を追ってみる。加害者少年は一体どうなったのか?父は少年法で守られた加害者に結局会えたのか?

 特に意図したわけではないのだが、祇園の暴走事故があったのでタイムリーな題材だった(しかも名前まで一緒!)。ただし、本作は車の暴走ではなく少年犯罪である。犯行時にてんかん症状があったかなかったかというのが問われる場面があるのだが、やはり弁護側はそれを理由に責任能力が無いと主張してくるんだよなぁ・・・。てんかんが認められたとして、犯行がそのせいだというのなら、果たして”更生”はどうするのか?医学的な治療(その方法も成果もまた不透明)をして、それだけで短い年月で釈放して本当に犯人はまっとうな人間に戻っているのか?遺族の疑心はもっともである。本作では最後に加害者と遺族が直接対面し、遺族側が復讐しようとするが、なんとか最悪の結末だけは避けられている。しかし現実では・・・こういう少年になっているのは何%くらいなのかとやはり心配になってしまう。


2012年05月10日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年05月07日) |

第五番

久坂部 羊

/ 幻冬舎 / 2012年02月10日 発売



 見た目はエイズ患者の病気として有名な「カポジ肉腫」にそっくりだが、その進行スピードは比ではなく、また、ある日突然健康な人間に発症した新しい病気。最初にその患者を担当した創陵大学皮膚科の准教授・菅井憲弘は驚くとともにほくそ笑んでいた。この病気を研究し、そしてうまく治療法を確立すれば医療界に自分の名を轟かせることができる――。しかしこの病気はとてもそんな生易しいものではないことを、のちに菅井は知ることになる。

 全然知らずに読んでいたが、この話は「無痛」の続編である。犯人を含めて「無痛」の全容にも触れられるので読んでいない人は注意が必要。「無痛」を読んでから今作を読むことをオススメする。

物語は突然発生した恐ろしい病と現場で直接対決する菅井の話と、「無痛」からの登場人物で今はウィーンにいる為頼英介が触れてしまった医療の裏の世界の話が同時進行する。パンデミックの裏に本当にこんな会合があり、意図して世界が動かされていたとしたら・・・。そんな風に恐ろしさを感じる程、またしてもリアル。こういうのが本当にうまいなぁ。世界観にはうなってしまったが、今回、登場人物たちはなんだか揃いもそろってみんな可哀想。また○○されていたり、死んでしまったり。ほとんどの人間を死なせて終わりという結末は賛成しかねる。これだけ世界を恐怖に陥れた病気の最善の治療法が○○というのもなぁ・・・。


2012年05月07日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年05月04日) |

ファントムの夜明け (幻冬舎文庫)

浦賀 和宏

/ 幻冬舎 / 2005年03月 発売



 男友達に頼まれ、本を返しに1年前に別れた健吾のアパートを訪ねた真美。しかし彼はいなかった。そこで偶然会ってしまった健吾の今の彼女すら、彼の行先は知らないという。しかし真美は何か不吉なものを感じ取っていた。これはもしかして、昔死んだ双子の妹・麻紀と同じ力が自分に備わったのではないだろうか。その力が、健吾の身に恐ろしいことがおこっていると伝えてくる・・・!

 おもしろかったのはおもしろかったのだが、必要以上のやりすぎ感も感じてしまった。幼かった頃の妹が”友達”と呼んでいたその力に対しての言動や考え方をそこまで病チックに描写しなくてもいいのではないか(しかもしつこい)、街で突然そこまでの”悪魔”に出会わなくてもいいのではないか、など。最後は意表をつかれた感じ。この”彼”の声は、何よりも心に突き刺さるだろう。


2012年05月01日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年04月29日) |

検事の本懐

柚月 裕子

/ 宝島社 / 2011年11月10日 発売



◆樹を見る・・・18件もの連続放火事件が管轄内で起こりながらいまだ犯人が捕まらないということで、米崎東警察署所長である南場は上やライバルから吊し上げにあっていた。そんな中、ようやく容疑者・新井が逮捕される。しかし17件に関しては素直に犯行を認めたが、死者が出た13件目だけは頑なに自分の犯行とは認めようとしない。南場をはじめ、部下達も皆、新井の犯行だと決めつけて取り調べる中、担当検事となった佐方だけは異論をとなえた。
◆罪を押す・・・佐方の上司である筒井が3年前に窃盗で起訴し、実刑となったハエタツこと小野辰二郎が再び送致されてきた。出所したその日に腕時計を盗んだところを捕まったということで、刑務所に戻りたいがための犯行かと思われたが、佐方は疑問を抱く。
◆恩を返す・・・高校時代の同窓生・天根弥生からの突然の電話。婚約者には絶対に知られたくない過去をネタに現役警察官から強請りにあっているので助けてほしいという。
◆拳を握る・・・大物議員の贈収賄容疑をなんとか起訴したい東京地検特捜部は各地検に応援要請を出した。それぞれの地検が太鼓判を押す検事と事務官が集められた中で、佐方、そして病気の増田(佐方の事務官)に代わって山口地検の加東がさらに選ばれ、重要人物の事情聴取を行うことになる。事務官としての能力を認められたと思って意気込んだ加東であったが、上が求めているのは真実を求めることではなく、すでにできあがっている検面調書にサインをさせ、罪を認めさせることと知り、加東は愕然とする。
◆本懐を知る・・・ニュース週刊誌「ピックアップ」の専属ライター・兼先守が今度のネタに選んだのは過去の弁護士の業務上横領事件。実刑を受けたということがまず異例であり目を引いたのだが、さらに調べるとその弁護士・佐方陽世は、なにひとつ弁明することもなく実刑判決を受け入れたという。一体なぜなのか?

以上5編の短編集。「最後の証人」ではすでに検事を辞め、弁護士となっていた佐方貞人だったが、この5編ではまだ若手検事として働き、事件を処理していく。

どれも短編とは思えぬ程、濃い内容で楽しめた。「最後の証人」がおもしろかったのは覚えているけれど、佐方に関してはどういういきさつで弁護士になったなどは忘れてしまっている。また読み直そうかな・・・。

◆恩を返す・・・一番好みだったのはこの話かな~。事件(と呼べるかどうかも疑問)は単純だったけれど、佐方の人物像というか、内面が垣間見えた気がして。淡い初恋(だよね?)物語も良し。結婚式への招待の断り方が、佐方らしい。
◆本懐を知る・・・佐方の父親が逮捕された理由、その真相と一部始終がわかる話。父親の意志をしっかり受け継いでいる佐方。父親はさらに、真面目でカタブツすぎるかなぁとも思うけれど。そこまで他人のために動けるのがすごい。


2012年04月27日 | コメント(0) | 文芸本(日本)短編 | 読み終わった (2012年04月25日) |

堕天使殺人事件

二階堂 黎人 柴田 よしき 北森 鴻 篠田 真由美 村瀬 継弥 歌野 晶午 西澤 保彦 小森 健太朗 谺 健二 愛川 晶 芦辺 拓

/ 角川書店 / 1999年09月 発売



◆第一章 悪魔の犯罪・・・二階堂黎人(れいと)
◆第二章 天使の婚礼・・・柴田よしき
◆第三章 堕天使の来歴・・・北森鴻
◆第四章 黙示録の獣・・・篠田真由美
◆第五章 堕天使、空を飛ぶ・・・村瀬継弥
◆第六章 棺の花嫁・・・歌野晶午
◆第七章 殺戮の聯環(れんかん)・・・西澤保彦
◆第八章 アージニャー・チャクラの戦慄・・・小森健太朗
◆第九章 <<堕天使>>の最期・・・谺(こだま)健二
◆第十章 探偵、登場!・・・愛川晶(あきら)
◆第十一章 堕天使昇天――森江春策の推理・・・芦辺拓

以上11人によるリレー小説。全体的な打ち合わせは一切行わないというルールの元で1つに繋がる作品を目指した。最後、各著者が今後どういう展開になると予想して自分のパートを書いたのかが記されている「『堕天使殺人事件』――私はこう予想した」が掲載されている。

小樽運河でウエディングドレスを着た花嫁の死体が見つかった。しかも恐ろしいことにこの死体はバラバラのパーツをわざわざ縫合して作られたもの、つまり、これ一体で複数の人間の命を奪ったことがわかる死体だったのだ。時を同じくして、ある新聞社に【堕天使】を名乗る者からのビデオ・テープが届く。テープには貴公子のような男、そして怪物のような男が女性の脚をチェーンソーで切断するという凄惨な場面が映っていた・・・。

打ち合わせが全く無い状態で繋いでいくなんて、収拾つくんだろうか?と読み始める前は思っていたが、始まってみればやはりプロの方々。よくそんなこじつけを・・・!よくそんな符合の発見を・・・!という部分が多々。←褒めてます 
もちろん、「あれ?」「なんで?」「さっきの設定は無視?」みたいな部分もたくさんあるけれど、リレー小説ならではと思って楽しまないと損かなと読み進めた。宗教やら伝説やらまで出てきての展開はすごいなぁ。登場人物も、作家それぞれの有名(?)シリーズの主人公達が出てきているようだが、私が知っていたのは残念ながら芦辺さんの森江春策のみ(それも、前すぎてうろ覚え^^;)。最終的に推理するのはこの人だが、それまでにも何人かそれっぽいのが登場。前から知ってたらもっと楽しめただろうなぁ。しかし根津愛のフェードアウトの仕方にはびっくりした。そんなのアリか!
物語そのものについてはなんとか完結させている(その技量はすごいと思う)ものの、やっぱり動機やらトリックやら犯人の行動やらには納得いかない部分も多い。がしかし、物語の始まりはとても魅かれる。最初の二階堂氏が全部書いたらどうなったんだろう?


2012年04月23日 | コメント(0) | アンソロジー | 読み終わった (2012年04月19日) |

借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)

垣根 涼介

/ 新潮社 / 2009年10月28日 発売



◆二億円の女・・・百貨店の外商部で営業の仕事をする倉橋なぎさ。入社してから成績はうなぎのぼりだったが、2億を超えた今も、目標は容赦なくそれより上で設定されてしまう。
◆女難の相・・・生命保険会社で着実にキャリアアップしていき、出世街道まっしぐらだった松本一彦。しかし、それなら決して避けてはならない外交部長職をなぜか無理な職種替えを希望して避け、自らレールからはずれたようだ。一体なぜか。
◆借金取りの王子・・・慢性的な人材不足で知られる消費者金融業界でも、風紀上の問題でリストラはある。意図的に数字を操作し、目標達成と非達成月をコントロールしていると会社からみなされてしまった三浦宏明だが、彼にはどうしても会社をやめられない事情があるようで・・・。
◆山里の娘・・・真介が陽子を伴って一般客として訪れた「ホテル常盤屋」。その時に主に世話をしてくれた窪田秋子。彼女もまた、今回の面接を受ける一人である。が、今回の面接は形式だけで、職場に残るか否かは自由という気楽なもののはずだったのだが・・・。
◆人にやさしく・・・今までは各企業のリストラ面接を請け負うだけだった「ヒューマンリアクト」だったが、それで切られた人間に登録してもらい、彼らを他の適材適所に派遣するということを新事業として始めることになった。統括チーフは真介。そして話の流れから、陽子の事務所にも人を派遣することになった。

以上5編の連作短編集で「君たちに明日はない」シリーズ第2弾。最初の4編は、一弾の「君たちに明日はない」と同じく、真介が各会社のリストラ候補に面接する話であるが、最後の「人にやさしく」だけは、『日本ヒューマンリアクト(株)』が人材派遣業を新規開拓し、その統括チーフとして真介が就任・初仕事をする話である。

 シリーズ前作を読んだのはだいぶ前なのではっきり覚えてはいないが、前作はもっと真介から見た話が多かった気がするし、リストラ対象者も、されてもしょうがないような働きっぷりの人間が多かったような・・・。今回はどちらかというと、仕事はできるが、真介の面接を受けたことを機会に自分の人生本当にこのままでいいのかと、今一度考えるという感じの話が多い。真介側の話と対象者側の話が半々くらいかな~。相変わらずテンポが良く、そしてそれぞれの仕事についてもやりがいや大変さや業界事情など、よく調べて書かれているなぁと思う。それだけではなく、「借金取りの王子」なんかは恋愛要素でも楽しませてくれる。真介のプライベートの陽子(「君たちに明日はない」で面接済、その後つきあっている)との関係も気になるし、やっぱり次も読もう。


2012年04月20日 | コメント(0) | 文芸本(日本)短編 |

緑の毒

桐野 夏生

/ 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2011年09月01日 発売



 妻のカオルが浮気をしているのは知っている。だから水曜の夜は一人でなどいられない。開業医の川辺康之はいつものキマった格好ではなく黒ずくめの服装で獲物を物色する。スタンガンとセレネースを手に。一人暮らしの女の部屋を見つけ、そして・・・。しかし発覚しないだろうとたかをくくっていた犯行は、ネットで繋がった被害者達によって暴かれ始める。

 タイトルや装丁からしてかなりの毒々しい内容を覚悟していたのだけれど、そこまでじゃなかったなぁ。この作者のいつもの毒からすると、かなり軽めに思える。妻の浮気を知っていながら、わざと嫉妬を興奮の材料にする川辺の性癖は自分は全く理解できないが、実際こういう人っているんだろうなぁ。浮気女を妻にしておけることを自分のステータスにして酔っているような人。毒を持っているのは川辺だけではなく、被害者側にもそういう人間がちらほら。でもどの人物に関しても、中途半端で最後まで描かれておらず、「え、その後どうなったの?」という人多数。最後のページを見たら、この作品はなんと、2003年~2011年という9年にわたって断続的に連載された作品のようで。作者自身、登場させた人のことを忘れてしまってるのではないかと疑ってしまう(^^;
 しかし川辺クリニックの院長としての態度や会話うんぬんの部分は何というか、デジャビュ感覚がすごかった(爆)。あー、どこかで聞いたような会話だわー。


2012年04月13日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年04月12日) |

夜想曲(ノクターン)

依井 貴裕

/ 角川書店 / 1999年08月 発売



 桜木は混乱していた。何者かから送られてきた原稿には、あの山荘での出来事が綴られている。昔、会社の新規採用者の研修で知り合った「春眠会」のメンバーが久しぶりに集まったあの山荘での恐るべき出来事が。しかし桜木が混乱しているのには理由があった。自分もその山荘に行っていたのは紛れもない事実らしい。しかし、その記憶が欠落していたのだ。あろうことか原稿には桜木が殺人を犯した描写まである。自分はこの原稿に書かれているように殺人を犯したのか?果たしてこの原稿は真実なのか?それならば、誰がこれを送ってきたのか?その意図は?桜木は悩んだ結果、あの男・多根井理(さとし)に相談することにした。

 久しぶりに本格ミステリ、というものを読んだ感じ。読んでいる間は何かがちょこちょこ引っかかっていたものの、そんなトリック(     )だとは思いもしなかった。それが成立する要素は今では使い古されたものだったが、このトリックには必要不可欠であり、破綻は無いと思われる。トリックを知ったうえでもう一度読み直してみようかな。

突然現れた多根井理なる人物には面食らったが、どうやらこの作者の作品全部に登場しているらしい?


2012年04月07日 | コメント(0) | 文芸本(日本)長編 | 読み終わった (2012年04月06日) |

レイトン教授と不思議な町(特典無し)

ゲーム / レベルファイブ / 2007年02月15日 発売



2012/4/4購入。
定価4800円→イーブックオフでポイント使用して576円で購入。

・セーブデータは3つ。
・レイトン教授が大泉洋さん、ルーク少年が堀北真希ちゃんだが、言われなければわからない(^^;
・Wi-Fiで「週刊ナゾ通信」と題して追加のナゾがダウンロード可能。2012年4月現在、新しいナゾはもちろん配信されていないものの、過去のナゾはダウンロード可能。

【良かったところ】
・時間制限が無いので、じっくり自分の気のすむまで考えられる。
・簡単すぎず、難しすぎず、ナゾの難易度が絶妙。

【改善してほしいところ】
・「週刊ナゾ通信」にはヒントメダル制度がないので、解けない謎はずっと解けない(^^;


2012年04月07日 | コメント(0) | ゲーム | いま読んでる


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