罪と罰の果てに

著者 :
  • 光文社 (2009年11月19日発売)
3.83
  • (9)
  • (15)
  • (9)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 18
3

 天使のように可愛い妹・聖美(きよみ)。僕達は親とも離れ、2人きりで生きていかなくてはいけなくなった。大丈夫、僕がいつまでもお前を守ってやるから―――。家族ごといわゆるカルト施設に入ってしまったため幼い頃から過酷な生活環境におかれ、兄妹は壮絶な人生を送ることになる。

 妹を守るために兄・聖斗(きよと)は殺人をも厭わない。2人きりの兄妹なのだから俺が妹を守らなくては、という兄の義務感はもちろんわかるのだが、聖斗のすれ具合や、妹への執着の度合いはどう考えても異常。美しくて無垢で・・・というだけでは弱すぎるので、きっと何か他にも理由があるのだろうと思っていたのだが、特に最後まで何もないし、当の妹の魅力もいまいちわからずじまい。キリストさんの正体には「おぉ」と不意をつかれた感じだったけど、決着の仕方がハードボイルドというのも好みではなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸本(日本)長編
感想投稿日 : 2010年9月5日
読了日 : 2010年9月3日
本棚登録日 : 2010年9月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする