パリとセーヌ川: 橋と水辺の物語 (中公新書 1947)

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  • 中央公論新社 (2008年5月1日発売)
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感想 : 7
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文明が川とともにあるように、都市には必ず川がある。すべての都市は水利が必要なのだから当然なのだ。
その上でパリという極めて魅力的な街を川から描くという素敵な思いつきが今までなかったことにこの本を読んだ今となっては驚く。実際、パリに行って、セーヌ川を橋の上や歩道からぼーっと眺めたことのない人はいないだろう。
面白いのはこの本の章立て。同じ主題が何度も出てしまう歴史順ではないのだけれど、さりげなく時代を今に向かわせつつ、より人生に密着した内容に持ち込んでいる。これは見事だと思う。
多分、著者は今、あーあそこもうちょっと変えておきたかったなーと色々な部分を反省しているんだと思う。しかし、充分に深みに達しつつ、これは新書として成立している。

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感想投稿日 : 2008年6月12日
本棚登録日 : 2008年6月12日

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