新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2009年12月16日発売)
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本棚登録 : 1435
感想 : 181
4

初の木内昇作品です。
資料に基づく安定したベースの上で展開する文章の巧みさにすっかり虜になってしまいました。

新選組の結成から最後までを描いた物語。
新選組隊士や幕府関係者の個人の目線で物語が展開していくのですが、それぞれの想いや周囲の人物に対する感情が鮮やかに描かれているため、彼らがどんどん身近な存在に感じられてきました。
あとがきで、木内さんは「描く時代に自然と同化してしまう、そういう巫女的な才能の持ち主であるようだ」と評されていますが、まさに新選組の面々が著者に憑依したかのように思えてくるのです。

登場人物1人1人がとても魅力的なのです!
怜悧の裏に情に厚い自分を隠している者。
天真爛漫に、感覚のままに生きている者。
学問や思想に重きを置き、その実現を目指す者。
同じ組織に属していても、不満を抱えたり、反発したりしつつ、それぞれの生き方を追い求めていった若者たちの姿に姿勢を正されることたびたびでした。
動乱の時代をもがきながら生きた若者たちによって語られる言葉だからこそ、読者の胸に迫るものが強かったのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読みました。
感想投稿日 : 2014年9月28日
読了日 : 2014年9月27日
本棚登録日 : 2014年9月28日

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