7つの短篇と2つの詩を収めた1冊。
デュパンが登場する「盗まれた手紙」を読むのが目的だったのだけれど、同じく謎解きがおもしろい「黄金虫」も読みごたえがありました。
本書前半に収められた作品はホラー要素が強いのですが、特に「ヴァルデマー氏の死の真相」のクライマックスは夢に出そうな怖さがありました。
そもそも死の間際の人間に催眠術をかけてみよう、という発想自体、不穏な結果になりそうな予感に満ちていて、怖いもの見たさに引きずられるようにページを繰ったのでした。
「大渦巻への下降」や「群衆の人」で描かれる、妙に冴えた観察者の眼差しも、少し怖い。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2017年1月5日
- 読了日 : 2016年12月29日
- 本棚登録日 : 2017年1月5日
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