レビュー by choyaさん
「アンダーグラウンド」に続いて読了。「アンダーグラウンド」で筆者は冷戦構造崩壊後の日本を露呈するものとして阪神大震災と地下鉄サリン事件を上げており、私はそれに違和感を持った。
今作において、筆者はその前提が間違っていたことを認めざるを得なくなる。
地下鉄サリン事件が起こったこと、もしかすると起こらなかったことの間にある壁、また「加害者」と被害者の間にある壁は想像以上に薄っぺらかもしれない。
しかし阪神大震災が起こった場合と起こらなかった場合、眠っているときに天井が落ちてきた人と、遠く離れた場所で安らかに眠り続けた人にある壁は途方もなく厚く、決して乗り越えることなど出来ない。それは底のない谷ですらある。
薄っぺらな壁の「向こう側」にいる彼らこそ、そんな絶対的な力を望んだのかもしれない。
レビュー登録日 : 2011年04月19日
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