「物理学喫茶室」マスターの本棚»
乱読マスターの、よく分からん本棚です。
レビュー by Cimarosaさん
たぶん知らない人が多いと思います、この作品も、そして作者も。
しかし、この本はいい。理屈抜きにいい。
冒頭が最もいい。
極寒の北海道。その新雪の原野に、二条の車輪の蹟が続く。
そして、その先の大木に、列車が一台引っかかっているのである。
雪原を走り疲れて、眠っているかのように。
この美しさは、北国に生まれ育ったものにしか分からない。
作者の阿井氏は北京生まれということだから、たぶん真冬の厳しさと美しさを
知り尽くしているのだろう。
推理小説(それもこれほどの超越した「あり得ない状況」を設定した物語)の書評に
顛末をあらすじで書くような野暮はしない。
ただ、読んでみてほしいと、願うばかりである。
登録日 : 2008年05月14日 22:08:27


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