新世界が大きく動き始めた32巻である。ユナンとアルバの対決から始まったこの巻は、加勢したアラジン一派の強さを強調した一方で、後半からはアリババとアラジンらの邂逅、そしてシンドバッドとの対話が描かれている。
ここに来て急速にカップリングが整理され始めたのは少し驚かされた。こうして種々の恋愛模様を構築するのは女性作者らしい部分ではあるが(男性作者はサブキャラはおろか、メインキャラの恋愛すらほったらかしの場合が多い印象だ)、我々読者から言えるのはアラジンに倣って「白龍どんまい」である。
しかし、今の新世界編が最終章と明言されている以上、ここでのカップリングの整理は、いよいよ物語も佳境に入ってきたことを知らせる合図なのかもしれない。
というわけで、ここではアリババの男気を買いつつも、物語展開としては間の巻ということで星四つ半相当と評価したい。
そんな間の巻でも、不穏なアルマトラン勢の動きを描きながら、アリババの告白に加え紅玉とアラジンの微妙な関係を描きつつ、紅玉による同盟離脱宣言を幕とする。その見せ場の描きっぷりには感服するほかない。さすがである。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2017年2月1日
- 読了日 : 2017年1月31日
- 本棚登録日 : 2017年2月1日
みんなの感想をみる