雨の塔 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2011年2月18日発売)
3.68
  • (76)
  • (116)
  • (108)
  • (26)
  • (8)
本棚登録 : 1203
感想 : 118
4

この世の果てのような、どんよりとした岬にある、資産家の令嬢しか入学を許されない、謎めいた全寮制の女子大学。敷地内には、まるでテーマパークのように可愛らしい街があり、そこでは、流行の服も、一流パティシエの作るお菓子も、桃の香りのシャンプーも、女の子の欲しいものは、何でも手に入ります。しかし、情報は遮断されており、街で手に入る書籍類は、ファッション誌くらいのもの。外部からの手紙や小包は必ず検閲を受けるし、電話は傍受されています。電波は遮断されている為、携帯もテレビも使えません。
そんな中、3つある寮の内、海沿いの塔で暮らす事になった4人の美少女たち。
みんなそれぞれ、捨てられたり捨ててきたり。何らかの事情があってここに来た者ばかり。
だから、お互いに事情を訊かないのが、暗黙のルール。
でも、同じ塔で暮らす内、4人の関係に、少しずつ、変化や綻びが生じ始めます。
残るのは、誰?

何から何まで美しく、乙女な、甘いけれど苦い世界でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年1月29日
読了日 : 2012年1月29日
本棚登録日 : 2012年1月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする