多重債務問題を核として、クレジットカードの功罪、住宅ローンの重圧、破産者の悲劇や戸籍乗っ取りの闇などを描く。
次第に明らかになる「関根彰子」と「新城喬子」の凄絶な人生、両者の交錯、そして新城喬子の行方。ついに加害者本人の口から真相を―というところで物語の幕は唐突に下ろされてしまうが、それがかえって読後に深い余韻を残す。
ただ、クレジットカード会社を加害者、多重債務者を被害者と位置づける短絡的、片面的な描写には興ざめしてしまう。自己の資力をかえりみずに借財を重ねる多重債務者の思慮浅薄も非難されてしかるべき。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年3月3日
- 読了日 : 2015年3月2日
- 本棚登録日 : 2015年3月2日
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