ボクの町 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2001年11月28日発売)
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本棚登録 : 1181
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新米警官が主人公。駅前交番での研修の日々をコミカルに描く。
主人公の高木聖大は、すごくダメなヤツ。警察手帳に前の彼女のプリクラ貼っちゃってたり、言葉遣いもままならないわりには同期の三浦くんに嫉妬ばっかして、短気だし、ものぐさだし、先輩には口答えしちゃう。そして上司や先輩にしょっちゅう怒られている。
同じ刑事モノでは「踊る大捜査線」シリーズが大好きなんだけど、聖大は青島刑事とは大違い。
まずダメなとこは、やる気がなくて適当なところ。
この物語は、終始聖大の目線で進んで行くんだけど、「大真面目でやるなんて馬鹿馬鹿しい」「ああ、学生に戻りたい。」「そんなこと、どうだって良いじゃないか」等と言った、無気力な独白が多々出てくる。
でも何だか結構リアリティあるんだよなー。世の中の新人さんは、多かれ少なかれ、思っていたことと違う現実に、落胆したり、先輩の言葉にムカついたり、腹の中では思うこともあると思う。聖大みたいに態度に出しちゃうのはある意味良い度胸してると思うけど。
でも、その聖大も後半になって、少しずつ、仕事に面白みを感じられるようになってくる。色んな先輩や町の人と接することで、少しずつ成長して行くのだ。
新社会人に読んでもらいたい!
私的には、まっすぐで努力家の三浦くんが好きだなー。
実は、この高木聖大は、「いつか陽の当たる場所に」にも出て来るのだ。今放送しているドラマの方では、ジャルジャルの片方が演じてるんだけど、何かそのイメージが強すぎて、本読んでてもジャルジャルの顔を思い起こしてしまう。。
後編が楽しみ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年2月22日
読了日 : 2013年2月22日
本棚登録日 : 2013年2月22日

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