さて、ようやく読んだわけですが。
シリーズ物は最後まで読むのを溜めておいた方がいいかもなぁ。上中巻の内容をほとんど覚えてなかったので、首をかしげながら読んでたもの。それでも読めるんだからやっぱりライトなんだなぁ。
内容を一言で表すなら、ぶっちゃけ期待外れ? いや、そもそも高柳があのシリーズに何を期待していたのかが分かってないから微妙なんだけれど。納得がいったわけではない。
帯に「ぼく達は、幸せになった。」という文章があるのだけれど、それを読んでふざけんな、と思わず本を放り投げた。で、すぐに考え直して、彼らの言う「幸せ」の形がどんなものか興味を持った。読み終わって、それがかなり当たり前の、普通の「幸せ」っぽかったことにがっかりした、って感じだと思う。
「戯言遣い」が主人公だったのだから、今まで散々言葉をこねくり回してなんやかんや言ってた割りに、ラストはずいぶんとありきたりで当たり前に終わるのだな、と。「幸せ」ってのはそういうもんなんだ、ってことなのかしら。そうだとしたらこんなに長いシリーズで表現することではないな。
もう何度も言ってますけど、高柳、西尾維新、好きなんですよ? 最新刊出たらとりあえず買って読む。時間がなくても無理やり読むくらいには好きなんですよ。この話も面白くなかったわけではない。普通に読んでて楽しめたけれど、高柳としてはやっぱりラスト、オチが欲しかったなぁ、と。全シリーズ通して読者を騙してたものがあったら面白かったのに。じつはいーちゃん、女でした、とか。
いーちゃんの本名は結局分からないままだったけれど、最後に明かして、実は今までの登場人物のうちの一人と同一人物でした、とか。シリーズものだったらこういう纏めてのオチ、ってのは難しいだろうけど。(てか無理か。)
以下ネタバレ反転処理。
結局狐さんは「いーちゃんに殺されてない」ってことですか? そこもなぁ、納得がいかん。あれだけ大騒ぎ起こしといて、「自分の手は血で汚さない」ってのは甘くないか。いや、これからの人生ずっと彼に付き合うほうが辛いだろうけど。
ラストの黒髪、片目青色の女の子は「玖渚」だよな?
最後「二人一緒に居る」という終わりはすごく好き。いーちゃんはどうでもいいが、玖渚は幸せにならないと駄目だ。幸せがどんなものなのか分からないのだろうけど。
ラストなので、抜粋をいくつか。
戯言遣いの少年が――
まさか本当に、青色の少女を好きだったなんて。
これがオチと言えばオチなのかな。ただ随分始めのページに出てきてたけど。
もう一つ、橙なる種への赤き征裁の言葉。
「勿論、お前も今日から友達だぜ」
05.11.16
- 感想投稿日 : 2013年1月1日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年1月22日
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