美術の方では様々な流れを作りながらいまも確実に息づいているシュルレアリスムだが、この運動のリーダーだったアンドレ・ブルトンの名聞くくことがめっきり少なくなってしまったのは、詩文学の不人気とポスト・モダン思想の奔流に負けてしまったからだろうか。
本書はバタイユ研究者が、そのブルトンに敬意をこめて語りつくした現代思想史の一断面である。ブルトンの発想、行動力、影響力は稀有なものであり、フロイトとマルクスを初めて目に見えるモノと言葉に表現した。唯一音楽に価値をおいていなかったことが残念だがそのユニークな解釈と方法は意外なところまで広がっている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学思想
- 感想投稿日 : 2011年5月12日
- 読了日 : 2011年5月12日
- 本棚登録日 : 2011年5月12日
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